2006.03.31
Yahoo!NEWSより「大脳皮質「でき方」に違い=知能極めて高い子、急発達-米国立研究所など調査」(時事通信)
知能が極めて高い子供は、思考や感覚、運動などをつかさどる大脳皮質の厚さが、普通の子供より速いペースで長期間増え続けた後、10代後半に普通の子供並みに戻ることが分かった。

知能と脳の大きさの関係の探究には長い歴史があり、論争が続いています。
しかし、知能の高さは大脳皮質の厚さや脳の全重量に単純に比例するのではなく、脳のでき方に違いがあるという報告がなされました。
人間の知的活動をつかさどるのは大脳皮質といわれる部分ですが、この部分は7歳ごろから層が厚くなり、11、2歳でピークを迎えると、その後急激に薄くなることが知られています。
米国立精神衛生研究所のフィリップ・ショー博士らとカナダ・マギル大の共同研究チームは、5歳以上の青少年307人について、磁気共鳴画像装置(MRI)による脳の撮影を、最長19歳まで数度に分けて実施しました。また、この被験者らを知能テストを基にIQが特に高い(121-149)グループ、高い(109-120)グループ、普通(83-108)のグループの3群に分け、年齢に伴う大脳皮質の変化を分析したとのことです。
その結果、大脳皮質が厚くなる時期は、平均的なIQを持つ子どもたちが6歳前後だったのに対し、IQが特に高いグループでは11歳前後、これに次ぐグループでは9歳前後と、遅くなっていることが分かりました。
この傾向は前頭葉など、高度な知的活動にかかわる部分で、特に顕著にみられたとのことです。また、大脳皮質が厚くなったり薄くなったりするスピードも、IQが高いグループの方が速いことも明らかになりました。
この結果をふまえ、チームは「賢さには皮質の厚さ自体より、成長期の変化の仕方の方が重要らしい」と分析しています。
ただ、この変化により知能が高くなるという単純なものではなく、大脳皮質が急激に成長する時期に子どもの年齢が高ければ、脳の成長過程でより複雑な経験をしていることになり、これが知能の伸びを促している可能性があるとみられています。
研究チームは、この大脳皮質の急速な発達に関与する遺伝子を探している。ただ、遺伝子の働きは成長環境に左右されるため、知能の発達には遺伝と環境、教育が複雑に影響している可能性が高いという。
大器晩成ですね(笑)
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2006.03.28
Yahoo!NEWSより「「魚の脂肪」持つ豚が誕生 遺伝子改変でヘルシー?」(共同通信)
血液をさらさらにする効果があるという魚の脂肪成分を多く含む豚を、遺伝子組み換えとクローン技術で誕生させたと、米ミズーリ大などのチームが26日付の米科学誌ネイチャーバイオテクノロジーに発表した。

魚の脂肪成分とはエイコサペンタエン酸(EPA)など、血管を詰まらせにくくするとされる「オメガ3脂肪酸」といわれるものです。魚に多く含まれていますが、豚肉には「オメガ6」という別の成分が多く含まれています。
1970年代にはオメガ6が血中コレステロールを下げるということで人気でしたが、オメガ6はは善玉コレステロール・HDLも一緒に下げてしまうということが分かったため、今はオメガ3に注目が集まっています。
チームは豚の胎児から採取した体細胞に、オメガ6をオメガ3に変える「fat1」という遺伝子を組み込んだ後、この細胞を基にクローン技術で子豚を誕生させることに成功しました。
この遺伝子はなんとミミズから取り出したもののようです。生まれた子豚は全部で10匹。DNA鑑定の結果、体内にこの遺伝子を持っていることが確認されました。体内のオメガ3はサケの5分の1程度と考えられています。
しかし研究が初期のため、誰もまだその肉を食べた人はいないようです(笑)。
チームは「よりヘルシーな豚肉への一歩」としている。しかし、ここまで人為的に操作した食品が消費者に受け入れられるかどうかは未知数だ。
現在では2世代目も誕生し、さらにオメガ3の比率は高まっているようですが・・・。そのうち味まで魚の豚肉なんてのができたらどうしましょうか(笑)
<参考>「妊娠中に魚を多く食べるほど子供は聡明になる?」
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2006.03.18
日経Healthより「空腹ホルモンと記憶に密接な関係が」
お腹が空くと頭が冴えて、脳の働きが良くなることがあるが、これに「空腹ホルモン」が関係しているという。

この発表を行ったのは、エール大の研究チーム。空腹ホルモンとは、1999年に日本の研究チームが発見した「グレリン」と呼ばれるホルモンのことです。
グレリンは、お腹の内容量が減少すると消化管内でつくられ、血流に放出されます。それが脳に運ばれて、食欲を刺激し空腹を感じるようになります。
研究チームは、グレリンをつくる遺伝子を欠いたマウスを遺伝子工学の手法で作成。その結果、グレリンを作れないマウスは脳内の海馬部分にある神経細胞が結合している部分の数が、正常なマウスより25%少ないことがわかったとのことです。神経細胞の結合している部分の数は記憶に大きく関係します。
さらに正常なマウスの脳の海馬の部分に、グレリンを注入すると、神経細胞の結合部分の数が増えることも確認されました。
この新学説を米エール大学の研究者らが、雑誌「ニューロサイエンス」(Nature Neuroscience )のオンライン版で提唱している。
記憶のドーピングにはグレリン注射ですか(笑)
<参考>「食欲を減退させるホルモンを発見−食欲増進とは紙一重」
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2006.02.17
CNNより「生後7カ月の赤ちゃんに「数の概念」 米研究」
まだ言葉も話せない生後7カ月の赤ちゃんに、数を把握する能力があるとの研究結果を、米デューク大学の研究チームがこのほど発表した。

大人は、見えている2つの物とそこから聞こえてくる2つの音を簡単に対応させることができます。同様のことはサルのような動物でも可能であることが分かっています。しかし、ヒトの赤ちゃんがそのようなことができるかどうかについては意見の分かれるところでした。
今回、研究チームは、20人の赤ちゃんに、2人または3人の見知らぬ女性が「見てごらん」と話す声を聞かせました。と同時に、2人が「見てごらん」と言っているビデオと3人のビデオを見せ、赤ちゃんがどちらに関心を示すかを観察しました。
その結果、聞こえる声の数と同じ人数のビデオを見る時間が、明らかに長いことが判明したということです。
研究チームは、赤ちゃんが、見たり聞いたした情報から「2つ」「3つ」という概念を抽出できることが明らかになったと考えています。
数の概念をめぐっては、これまでにサルを対象にした実験でも、同様の結果が出ている。研究の成果は、算数の早期教育などに活用できる可能性があるという。
赤ちゃんは考えられているよりずっと高度な概念を持っているようです。
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2006.01.31
Asahi.comより「耳あかのタイプ、1塩基の違いで決定 長崎大教授ら発表」
ネバネバか、カサカサか、耳あかのタイプは、ある遺伝子の塩基配列のたった一つの違いで決まることが、新川詔夫(にいかわ・のりお)・長崎大大学院医歯薬学総合研究科教授らの研究で分かった。

耳あかにはネバネバした「湿型」とパサパサした「乾型」があります。これは遺伝によるものであることは70年ほど前からわかっていました。しかし、具体的な遺伝子は不明でした。
実は、耳あかは本来湿っているもので、乾燥したタイプは耳あかではなく、単に皮膚がはがれたものです。乾燥タイプの人は耳あかが出ない突然変異ということになりますが、日本人は約8割がこのタイプに分類されています。
研究チームは、長崎県在住の日本人126人の耳あかの型を調査。同時に「ABCC11」と呼ばれる遺伝子の特定の部分の塩基が「アデニン(A)」か「グアニン(G)」なのかを分析しました。
調査対象者のうち乾型は88人で、うち87人が父母の両方から「A」でできた遺伝子を受け継いでいる「AA」型に分類されました。一方、湿型は38人で、全員が父母の片方または両方から「G」を受け継いだ「GA」型か「GG」型だったとのことです。
この遺伝子で「G」を両親のどちらかから受け継ぐと湿型の耳あかになるようです。
耳あかは世界の民族の大半が湿型で、中国北部、韓国や日本など北東アジアでは乾型が多いといわれています。
今回の結果を考古学の研究とあわせたところ、この遺伝子はもともと「G」が一般的でしたが、約2万年前にシベリアなど北東アジアに「A」型に突然変異した人が現れ、その子孫が世界中に散らばっていったのではと研究チームは推測しています。
この遺伝子は、薬剤の代謝や排出と関係しており、将来、耳あかの型が、薬の効果や副作用を予測する一指標になるかもしれないという。29日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス電子版に発表した。
将来は医者に行くと体温を測るのと同じように耳あかをとられるかも(笑)
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2006.01.24
gooニュースより「きょうが1年で最悪の日=英心理学研究者」
1月23日(月曜日)は1年で一番憂鬱な日―。英国の心理学者がこんな学説を唱えている。

この説を唱えているのは英カーディフ大学のクリフ・アーノール氏。数百人を調査し、数式を使ってその結果を一般化しました。
その結果、人が最も憂鬱になるのは1月24日に最も近い月曜日で、今年は23日がそのパターンに当てはまることになります。
使った公式は、[W + (D-d) x TQ ]/( M x NA) というもの。Wは天候、Dは借金、dは月給、Tはクリスマスからの時間などを表す変数だとのことです。
つまり、クリスマスから大晦日、新年に至るお祭り気分が終わり、日常の仕事に本格的に復帰しなければならないこの時期。気がつくとクリスマス以来の遊びに使った経費の支払いがのしかかり、向こう数週間を眺めても、格段面白そうな出来事も期待できないのがこの時期で、さらに寒い気候が追い討ちを掛けるということでしょうか。
さらに氏はテキサスやフロリダ、カリフォルニアのような気候の良い土地をのぞいてアメリカにもこの公式は当てはまるだろうと述べています。
ただし、23日に憂鬱になりやすいという事実を逆手に取り、ウツを撃退することができる。アーノール氏は「ウツな気分を契機に自分の心を入れ替え、新たな飛躍台にすることに活用できる」と話している。
そういえば僕も一日中、鬱な気分でした(笑)
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2006.01.20
YomiuriONLINEより「不正を働いた人物に電気ショック…男は「満足」」
不正を働いた人物が苦しむ姿を見ると、男性は満足する傾向にある――。英ロンドン大が行った最新の脳研究で、そんな結果が明らかになった。

この研究は他人の不幸に対し、人間がどう反応するかを脳画像技術を使い調べたものです。男性と女性とでは反応に明らかな違いが見られたようです。
ロンドン大ユニバーシティー・カレッジの研究チームは、男女各16人の被験者の前で、4人の役者たちに簡単なマネー・ゲームを演じてもらいました。その役者たちはマネーゲームにおいて公正な振る舞いを行い好感を持たれるような演技をした人と、詐欺行為を働き他人に嫌悪感をもよおさせる役割の人に分かれていました。
その後、公正な人物たちと嫌悪感を与える役割の人物たちそれぞれに軽い電気ショックを与えて痛がる様子をボランティアに見せ、そのときのボランティアの脳内の活動を分析しました。
分析では、「痛み」「共感」「報われたとの感情」のそれぞれに関係する脳の領域のうち、どの部分が活発になるかを調べたとのことです。
その結果、好意的に思っている他人が苦しんでいるのを見たとき、男女いずれの被験者の場合も、脳の「共感」や「痛み」と関連する領域に反応がみられました。
一方、苦しんでいるのが嫌いな人間の場合、女性は好きな人間が苦しんでいたときと同じ脳領域に反応がありましたが、男性は脳の「報酬」と関連する部分に大きな反応が見られたということです。
研究チームは、より大規模な調査を実施して、今回の研究結果を確認する方針という。
古来から男性の方が社会的な秩序を大切にする環境にあったということでしょうか。紋きり的すぎるような気がしますが・・・。
<参考>「孤独を感じるのは遺伝子のせい?」・「腹内側前頭皮質(vmPFC)が厚い人ほど不安になりにくい」・「強欲な人ほど進化の適応度が高い−慈善行動は不適応?」
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Asahi.comより「染色体にヒト進化の根源? 慶大など発見」
ヒトの23対ある染色体のうち8番染色体の中に、チンパンジーと比べて遺伝的な相違が大きい領域があることを、慶応大の清水信義教授(分子生物学)ら日米独などの研究グループが見つけた。脳や免疫機能に関連している遺伝子が含まれ、ヒトの進化に関与している可能性があるという。19日付の英科学誌ネイチャーに発表する。

ヒトの染色体は性染色体を含めると23対46本ありますが、このうち8番染色体は全遺伝情報の5%を担い、今までに739個の遺伝子が発見されています。
研究チームはこの8番染色体を詳しく分析し、染色体の片方の端に近い部分でチンパンジーと大きく相違する部分を発見しました。
ヒトとチンパンジーのゲノムを比較すると、全体では1.2%の相違があります。しかし、8番染色体のこの部分での相違は平均2.1%で、最大では3.2%だったとのことです。
変異が大きい領域には、外敵などが侵入した際に最初に働く自然免疫や、脳が小さくなる「小脳症」の原因となる遺伝子など神経系の遺伝子が多数存在していることもわかった。
また、脳の大きさに関連する遺伝子なども含まれているとのことです。
同領域には機能不明の遺伝子もあり、今後解析を進めるという。
8番染色体がヒトをヒトたらしめているということでしょうか。
<参考>「チンパンジーのゲノム概要解読−ヒトはなぜヒトたりえるのか」・「ヒトとチンパンジーの大きな違い」
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2005.12.18
Asahi.comより「「冷やすと甘くない」舌のたんぱく質特定 九大教授ら」
甘みは、食べ物が冷たいと感じにくく、温めると強まる――。日常生活で経験するこの現象にかかわる、舌にあるたんぱく質を、九州大の二ノ宮裕三教授(口腔<こうくう>生理学)らとベルギー、米国の研究チームが突き止めた。英科学誌ネイチャーの最新号で発表した。
味覚は、嗅覚と同様に、舌に多く分布する味蕾の中の化学受容体に物質が結合することで検出されます。このようにして見分けられるものを基本味といいますが、それには甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つがあります。もともとは甘味、酸味、塩味、苦味の4つが基本味とされてきましたが、最近はうま味も基本味として認められるようになってきました。元来日本語のうま味は英語でも「umami」として使用されています。
味蕾の化学受容体が味分子を検出すると、それを神経に伝える中継ぎ役のたんぱく質である「TRPM5」のチャネルが開きます。このTRPM5と温度との関係を研究チームは分析しました。
その結果、細胞レベルの実験では、温度を上げるとTRPM5の働きが強まりました。さらに普通のマウスと、TRPM5を作れないよう遺伝子操作したマウスの舌に、15−35度にした様々な種類の糖や甘味料、うまみ、酸味、塩味、苦みに関係する物質の溶液を垂らし、神経の反応を比較したところ、甘みに対し、普通のマウスは温度が高いほど反応も高まったのに対し、TRPM5のないマウスにはほとんど変化がなかったとのことです。
甘み以外では、温度による変化はありませんでした。
二ノ宮教授は「細胞の同じ部分が味と温度の両方にかかわっていたのは意外だ。甘みも温度も体内のエネルギーと密接なことが関係しているのでは」と話している。
赤ワインが室温で飲まれるのもこれが理由のようです。
<参考>「味覚は脳のどこに伝わるか」・「味覚ロボット登場!」・「若い女性ほど味に敏感−若い女性が行列を作る店は美味しい?」・「ネコが甘味を感じない理由が分かった」
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2005.12.09
Asahi.comより「犬の遺伝情報を解読 がんなどの解明に貢献・米グループ」
ボクサー犬のゲノム(遺伝情報全体)の高精度の解読が完了した。

解読したのは米ハーバード大とマサチューセッツ工科大がつくったブロード研究所と、米国立ヒトゲノム研究所などのグループ。ゲノム解読に選ばれたのは、「ターシャ」という名前の雌のボクサー犬。候補犬100頭の中で、塩基約24億個を読みとるのにDNAが最も適しているという判断でターシャを選びましたが、結局はどのイヌでも同様に解読できることが分かったそうです。
ビーグルなどボクサー以外の9品種でもDNAの概要を調べ、はっきりした部分についてボクサーのDNAと比べたところ、イヌのゲノムを構成する塩基約24億個の中で違いは平均で塩基約900個につき1個で、ヒトの個人差と同程度の小ささだったということです。
差がもっとも大きいアラスカンマラミュートとは塩基787個に1個の違いがあり、もっとも小さいイタリアングレーハウンドは954個につき1個でした。
イヌの遺伝子数は1万9300個と推測され、ほとんどがヒトのゲノムにも見られる遺伝子のイヌ版です。またこれまでの研究ではヒトの遺伝子は約2万2000−2万3000個ではないかと推測されていますが、イヌのゲノム解読によって、これまで人間特有の遺伝子と思われていたものは、実は遺伝子ではないのではないか、という問題がでてきたと研究チームは発表しています。
イヌの主な死因のひとつはがんで、今回の高精度の解読によってがんに関連する遺伝子の解明が進むと期待される。イヌとヒトのゲノム情報を組み合わせることで、がんを始めとする病気の遺伝的な原因を究明できるという。
イヌのゲノム情報は2003年に雄のプードルのものが部分的に解読されていますが、今回はさらに詳細な解読に成功しました。
<参考>「チンパンジーのゲノム概要解読−ヒトはなぜヒトたりえるのか」・「深海細菌のゲノム解析」・「マツタケのゲノム解析−人工栽培は実現するか」・「ニワトリの遺伝子数は2万数千個−やっぱりヒトなみです」・「ニキビ菌のゲノム解読−何になるの?」・「イネのゲノム解析ほぼ終了−遺伝子数はヒトより多いです」・「ヒトの遺伝子数は2万2千個−ハエとあまりかわりません」・「ヒトとチンパンジーの大きな違い」
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2005.12.01
Yahoo!NEWSより「神経成長因子が恋する感情に作用=イタリア研究者チーム」(ロイター)
イタリア・パビア大学の研究者チームはこのほど、学会誌「精神神経内分泌学」で、人の恋する感情は神経成長因子(NGF)という分子の働きが影響している、とする研究結果を発表した。

神経成長因子(NGF)とは 神経細胞の誕生を促す作用や神経細胞の生存を維持する作用、脳の損傷時に修復する作用、脳神経の機能を回復し脳の老化を防止する作用など神経細胞の生と死に密接に関わるタンパク質です。
パビア大学の研究チームは18−31歳の男性と女性の血液で神経成長因子として知られているタンパク質を分析しました。
被験者となったのは最近激しい恋に落ちた58人と、同数の長い間交際をしている人、交際相手のいない人です。
最近激しい恋に落ちた人たちのNGFの血中濃度は、交際相手のいない人のグループや長期間交際をしている人のグループに比べ、かなり高いという結果が得られました。
また、激しい恋に落ちてから1年後も同じ人と付き合っていた38人を調べるとNGFの血中濃度は他のグループと同程度まで低下していたという結果になりました。ロマンティックな愛の段階は終わり安定期にはいったということなのでしょう。
研究者チームは、恋をすると、なぜNGFの血中濃度が高くなるのかははっきりしないものの、交際が始まる前の「社交上の相性」にNGFが大きな影響を及ぼしていることは明らかだとしている。
惚れっぽい人はNGFの濃度が高くなりやすいということでしょうか(笑)
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2005.11.18
YomiuriONLINEより「不妊症治療に光、精子・卵子形成の必須たんぱく質発見」
未成熟な生殖細胞が精子や卵子になる際に起きる「減数分裂」の進行に欠かせないたんぱく質を、東北大加齢医学研究所の松居靖久教授らのグループがマウスの実験で発見した。
生物は減数分裂により染色体数を半減させ、精子や卵などの生殖細胞を作ります。
減数分裂の前期ではそれぞれの親由来の相同染色体がペアをつくり、一部の遺伝子の交換が起こります。その後、2回の細胞分裂により親の半分の染色体を持つ細胞ができます。
この遺伝子の交換は、生物個体で起こりうる遺伝子の異常を補い合ったり、生物の多様性を生み出す上で重要な意味を持っています。こういった減数分裂の初期段階で起こるできごとは、それらを直接引き起こす遺伝子の働きが調節されることにより制御されていると考えられていますが、詳しいメカニズムは分かっていません。
今回、研究チームは減数分裂の際に、遺伝子の働きを活性化し組み換えを促すたんぱく質が存在することを、マウスを使った実験で確認し、「マイセッツ」と名付けました。
マイセッツの遺伝子を持たないマウスを作って調べた結果、正常なマウスよりも卵巣や精巣が小さかったとのことです。また、遺伝子の組み換えが正常に行われないため生殖細胞の減数分裂が止まり、卵子や精子にならないことも確認されました。
松居教授は「マイセッツと構造が似た遺伝子はヒトにもある。ヒトの不妊症の一部はこの遺伝子の異常によって起きている可能性もある」としている。
人でも同じことが起こっているのでしょうか。
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2005.11.13
UKTodayより「社交性の欠如にあらず――「孤独」を感じるのは遺伝子のせい!」
孤独は誰もが経験したことのある感情だが、このほど、人が孤独を感じる原因を探った研究結果が発表され、孤独を感じる原因は太古の昔から引き継がれてきた遺伝子にあるとの結果が報告されたことが伝えられた。
孤独を感じる程度は人によってまちまちです。しかし心理学的には人が孤独を感じる原因は、引っ込み思案の性格や社交性の欠如などが原因と考えられてきました。
今回、研究チームは1991年から12年にわたって8,387人の双子を継続的に調査しました。双子の比較研究は遺伝について考察するときによく行われます。
孤独の程度を定量化するために、これらの双子に様々な状況に対する自分の反応を段階づけてもらったところ、一卵性の双子の半数が同じ結果を出し、二卵性の双子でも4分の1が同様の結果だったということです。
このことから、研究チームは孤独の感じ方は部分的にしろ遺伝するのではないかと指摘しています。
これまで、子どもの双子を使った研究で同じような結論が出されたことはありますが、大人の調査によるものはこれがはじめてです。
またこの研究では、孤独を感じる原因の半分は遺伝子にあり、女性は男性よりも孤独を感じやすいと指摘しています。
人類が狩猟や採集によって食物を得ていた太古の昔、食べ物が不足すると人々は、限られた食糧を他人と分け合わなければならない事態を避けるために、家族や友人からわざと自分を隔離していたとみられ、このような孤独にうまく耐えることのできた者だけが生き残って、子孫を残すことができたという。
孤独を感じない方が生存する上で有利だということでしょうか(笑)
たしかに、孤独を感じることは心臓病のリスクとなるという研究結果が発表されたこともありますが。
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2005.11.11
Asahi.comより「求愛の相手性、遺伝子が決めていた ハエで確認」
一つの遺伝子が脳の中で働くか働かないかで、オスに求愛するかメスに求愛するかの行動が変わることを、北海道教育大の木村賢一教授(発生遺伝学)らがショウジョウバエで確認した。

遺伝子が行動にどのような影響を及ぼすかという研究は、よくショウジョウバエの遺伝子を使って行われます。
ショウジョウバエの中には同性愛の傾向を示す「サトリ」といわれる突然変異体が存在します。この「サトリ」は「フルートレス(Fru)」という遺伝子の変異が原因であるといわれていました。
この遺伝子はオスでのみ発現しますが、どのように働く遺伝子であるかははっきりとは分かっていませんでした。
今回の研究では、脳の中でフルーツレスが働いている細胞を調べ、オスとメスは一部で神経回路パターンそのものが異なることを発見したとのことです。この違いは、ニューロン前駆細胞が雌で消失するために生じるようです。雄では、フルートレスがこの消失を阻害するため、前駆細胞が神経回路を形成し、その働きでオスではなくメスに求愛するようになるようです。
サトリのような同性愛のハエはこの神経回路がメス同様消失しています。
さらにメスの遺伝子を操作してフルーツレスが働くようにすると、オスそっくりの回路ができ、行動の面でも他のメスに対して迫るようになったとのこと。
木村さんは「フルーツレスは哺乳(ほにゅう)類では見つかっていない。人間の性行動は、多くの遺伝子や環境などの要因が複雑に絡み合っているのではないか」と話している。
ヒトはともかく、性行動のような複雑に思われる行動がたった一つの遺伝子に左右されているというは驚きです。
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2005.11.09
WiredNEWSより「故人のDNAを含む木を「生きた墓標」に」
他界した後も人間のDNAを生き続けさせる方法を、イギリスのアートグループが編み出した。遺伝子組み換え技術の神秘的な応用法だ。

これはアーティストであるゲオルク・トレメル氏と福原志保氏が設立した英バイオプレゼンス社による企画です。「DNAマニホールド法」という方法を用いています。
この方法では、木のDNAのうち実際に発現することはない、いわゆる冗長な部分に余分な情報を載せることが可能になります。
これを用いて亡くなった人のDNAを木の中に埋め込み墓の代わりにするという計画です。
最初の試みは日本の桜の木で行なわれる予定になっています。これにかかる費用は約3万5000ドルと試算されています。一般的な葬儀より少し高くなりますが、この方法が考案された背景には英国の墓地不足があります。同じような墓地不足で悩む日本でももしかすれば受け入れられるかもしれません。
日本にはすでに樹木葬というものもあることですし。
ただこの木から将来的にDNAをとりだし、クローンを作ることができるようになるかというと少し疑問です。
一連の複雑な遺伝子操作を駆使すれば、保存したデータを取り出すことは可能だろうが、実際に情報を取り出すことは「故人が映っている『ベータマックス』のテープを埋めて、2050年に誰かがそのテープを再生する方法を見つけてくれるのを期待するようなものだ」と、米ジェネティクス・センター社のデビッド・ハイマン氏は述べた。
ただ無機質な墓でなく、生きている木とともに亡くなった人が生きているような感覚もありますね。ただその木が枯れてしまったらどうするんでしょうか(笑)
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2005.11.08
BioTodayより「腹内側前頭皮質(ventral medial prefrontal cortex、vmPFC)が厚い人は不安になりにくい」
ボランティア14人を対象にした試験の結果、腹内側前頭皮質(ventral medial prefrontal cortex、vmPFC)が厚い人は不安になりにくいと分かりました。

精神的にストレスの強い状態で受けたトラウマはその後もちょっとしたきっかけで精神的・肉体的な苦痛をもたらすPTSDを発症することがあります。しかし、PTSDを発症しやすい人とそうでない人がいるようです。
研究を行ったのはMGH(マサチューセッツ総合病院)の研究チーム。研究チームは14人の被験者を対象にした実験を行いました。被験者は手に電極をつけてモニターの前にすわります。画面にライトアップした部屋の写真が映し出されると、軽い電気ショックが流れます。この操作を5回繰り返した後に、電気ショックなしで10回以上写真を見せました。
次の日に皮膚の発汗の様子をチェックするモニターをつけて同じ写真を見せたところ、発汗量が多く、不安を感じている人とそうでない人にわかれました。
脳スキャンを利用して不安消滅に関係する脳部位、腹内側前頭皮質の厚みを測定したところ、この部分の厚みが少ない人ほど発汗量が多く、不安に感じていることがわかったということです。
この結果から、そのメカニズムは不明ですが、vmPFCが大きい人は不安障害になりにくくタフであると考えられました。
神経で図太い部分はここだったんですね(笑)
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2005.11.03
Yahoo!NEWSより「子の寿命は父親次第?=染色体「減り方」に相関−スウェーデンの研究チーム」(時事通信)
寿命の長さのバロメーターとされる染色体末端部の長さは、父親から子に遺伝し、母親からは遺伝しない可能性があることが分かった。スウェーデン・ウメオ大の研究チームが2日までに、同国の49家族を対象に分析した成果を米科学アカデミー紀要の電子版に発表した。
寿命に大きく関わるのではないかと考えられているのがテロメアです。テロメアは直線上のDNAの両端に位置している部分ですが、細胞分裂のたびに短くなります。これが限界まで短くなると細胞が死ぬことになります。
研究チームは49家族の計132人について、血液の単球細胞のテロメアの長さを分析しました。
その結果、男性の平均テロメア減少率は年間25塩基対であったのに対し、女性は同16塩基対であり、これが男性より女性が長生きする理由でないかとのことです。
また、132人を父、母、息子、娘の4グループに分け、親子間のテロメアの減少率の相関を調べたところ、父と息子、娘の間には統計的に強い関係がありましたが、母と子どもの間には関係が見られなかったということです。
原因はまだ分からないという。
父親が長生きしてくれることを祈りましょう。(笑)
ただ、以前には母と子どもが相関しているという全く逆の報告もありましたが・・・。
<参考>「肥満と喫煙はテロメアを短くする!−早く老けこむことになるのか?」・「テロメア修復のメカニズム−ヒトは不老不死に近づいているのか?」
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2005.10.15
Yahoo!NEWSより「人間の遺伝子、2割に特許 米国内の登録を調査」(共同通信)
人間の遺伝子の少なくとも18・5%について、米国の企業や大学などに特許が認められていることが、米マサチューセッツ工科大の研究グループの調査で判明。14日付の米科学誌サイエンスに発表された。

特許とは、ある技術を発明・考案した人がその技術を占有できるようにするシステムですが、遺伝子情報を解析し、その解析データから独自の機能を発見したときも、特許として認められるようになっています。
遺伝子の特許自体は70年代から存在します。特定の遺伝子情報を解析し、どういうタンパク質をどのように生み出すかなどの機能が明らかにされれば、「医学上有用性あり」とされ特許と認定されます。
当然、人類共通の財産である遺伝子情報を特許とすべきでないとの声も多く、こちらの方が多数派かもしれません。遺伝子情報による治療という面から見ても、特許などない方が有益なのかもしれません。
しかし一方、企業側が特許による利益があるがゆえに、遺伝情報の解析を進めていますし、それがヒトゲノムの解析にも大いに役立っていることは間違いありません。ベンチャー企業の中には、投資家から資金を集め遺伝子情報の解析事業に乗り出しているところも多くあります。
米国は特に、戦略的な遺伝子情報の解析が進んでいたことと、なにより遺伝子特許の取得基準が緩やかなため遺伝子特許が多く出願されています。
研究グループによると、米政府の遺伝子データベースに登録されている約2万4000の遺伝子のうち、18.5%に当たる4382の遺伝子について、計4270件の特許が認められていました。
特許を持っていたのは約63%が民間企業で、約2000の遺伝子に関する特許を持つ会社もあったようです。大学が保有する特許は28%にすぎませんでした。国別の特許保有率では米国が78%、日本は4%だったとのこと。
遺伝子の特許については、自由な研究が妨げられる危険や、商業利用が過熱することへの懸念が出ており、今後、議論を呼びそうだ。
僕らは特許を身にまとって歩いているようなものですか(笑)
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2005.10.09
Yahoo!NEWSより「細菌から遺伝子取り込む ホヤ「変態」へ新機能」(共同通信)
動物なのに食物繊維の主成分、セルロースを合成する脊索(せきさく)動物のホヤは、セルロース合成遺伝子を細菌から取り込んだことを佐藤矩行京都大教授と笹倉靖徳筑波大講師(発生生物学)が8日までに突き止めた。

酒の肴として親しまれているホヤですが、動物でありながらセルロースを合成するというきわめて珍しい特徴をもつ動物でもあります。
ホヤは脊索動物門のなかの1グループ、「尾索類」に属し、体をおおう「被のう」にセルロースが含まれています。
研究チームは、世界各地に生息するカタユウレイボヤを用い、セルロースを合成する遺伝子を稲などの植物やカビ、細菌の遺伝子と比較しました。その結果、ホヤと細菌の遺伝子が極めて似ており、ホヤが進化の過程で細菌の遺伝子を取り込んだと推測されました。
また、ホヤにはもう一つ、変態するという特徴があります。ホヤの成体は固着生活を送りますが、その幼生はオタマジャクシに似た形をしており泳ぎ回ることができます。
研究チームは遺伝子を欠損させたホヤの中に変態後も尾部を失わず泳ぎ続けるものを発見しました。この原因遺伝子を突き止めたところ、セルロース合成遺伝子が破壊されていることを発見。すなわち、ホヤのセルロース合成酵素は、セルロースの合成を行うとともに、変態を正常に進行させる機能をもつことが明らかになりました。
別の種の生物から遺伝子が水平移動したことを示し、この遺伝子は、ホヤが成体になる「変態」に欠かせない役割を新たに担っていることが判明した。動物の進化解明に役立つという。
もらい物の遺伝子をさらに有効利用しているといったところでしょうか。
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2005.10.01
WiredNEWSより「切った尻尾も内臓も再生できる遺伝子操作マウス」
特別な能力を持つマウスが、米国のウィスター研究所で偶然発見された。遺伝子操作が施されたこのマウスは、どうやらイモリのような驚くべき再生能力を身につけており、生存に不可欠な臓器でさえ再生する。

このマウスを発見したのはエレン・ヒーバー=カッツ教授。自己免疫疾患を研究するために皮膚結核の一種を発症するように遺伝子操作されたマウスを扱っているときに偶然発見しました。
教授らは遺伝子操作したマウスの耳に小さな孔を開け、対照群と区別していましたが、その耳が傷跡も残さず素早く治癒することがわかりました。
教授の研究チームはこの結果に驚き、他の部分も再生するかを確認。このマウスの足や尻尾を切断したところ、見事に再生しました。また、脊髄を切断したり、心臓を凍らせたりするなど臓器を傷つけても再び再生しました。
再生しなかったのは唯一、脳だけだったとのこと。
さらに再生能力をもつマウスの細胞を通常のマウスに注入すると、注入されたマウスにも再生能力が備わりました。再生能力をもつマウスと通常のマウスを交配すると、子孫はその能力をさらに強化して受け継ぐこともわかりました。
この再生能力の仕組みはまだ詳しくわかっているわけではありませんが、おそらく十数個の遺伝子が関与しているのではないかと研究チームは考えているようです。
「こうした(マウスの再生能力に関与する)遺伝子が発見されたなら、相当するヒトの遺伝子を薬か(いずれは)遺伝子治療によって操作することを考えられるようになる。そして、人間の再生能力が高められる」と、寿命に関する専門家で科学誌『リジューブネーション・リサーチ』の編集者、オーブリー・ド・グレイ氏は語る。
まるで小説の世界ですが、こんなことがもし可能になればヒトはどうなるのでしょうか。
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2005.09.28
Yahoo!NEWSより「毛髪育成のタンパク質解明=「悪役」封じ込め再生守る−米大学」(時事通信)
髪の毛が新たに生えてくるために重要な役割を果たすタンパク質の働きを、米ジョンズ・ホプキンズ大学の研究チームが26日までに突き止めた。このタンパク質は、はげの原因になる「悪役」のタンパク質を封じ込め、毛の再生サイクルを守っているという。研究成果は「米科学アカデミー紀要」の電子版に発表される。

近年、「男性型脱毛症」で悩んでいる人は500〜1000万人といわれていますが、その発症メカニズムはいまだに明確にされていません。
毛髪は休止期→成長期→退行期というヘアサイクルを繰り返しています。このサイクルを制御しているのは毛髪の根元に存在する毛乳頭細胞だといわれています。しかし、「ワイズ」と呼ばれるタンパク質が、再び髪の毛を生やそうとする毛包部分の細胞に働き掛けて、そのサイクルを妨害することがはげの原因と考えられていました。
kennedy Krieger研究所とジョンホプキンス大学の研究チームは、生まれつき体毛のない状態から体毛が生えたネズミを使った実験により、体毛回復に関与しているタンパク質「へアレス」の働きを調べました。その結果、へアレスがワイズを封じ込めて髪の毛のサイクルを阻害しないようにしていることが分かったとのことです。
へアレスは遺伝子の指令で働いているが、研究チームは「毛の再生はさまざまな原因が重なった複雑な過程をたどる。分子レベルのメカニズムは分かっていない」と一層の研究が必要であることを強調している。
遺伝子制御でハゲを治す日がくるかもしれません。
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2005.09.27
週刊米国健康ニュースより「音痴を科学的に解明」
失音楽症、いわゆる音痴の人では脳の右側の活動に異常がみられることが、カナダおよびフィンランドの研究者らによって明らかにされた。医学誌「Annals of Neurology」8月29日号に掲載された。
音楽の能力には非常に個人差が大きく、音感の非常にいい人から悪い人(いわゆる音痴)まで様々です。
この中で、特に音楽感覚に問題がある場合を「失音楽症」と呼びます。失音楽症は生理的な欠陥により正しい音の認識と記憶ができない感覚性失音楽賞と音の認識と記憶はできるが正しく発声ができない運動性失音楽症に分けられます。
モントリオール大などの研究チームは、脳波検査(EEG)を実施し、さまざまな領域の脳細胞が音に対してどのように応答するか評価しました。そのために音痴の人8人と正常音程の人10人を対象として、異なる音程を各音100ミリ秒ずつ連続して聴かせたました。その結果、音痴の人は音程が少しずれただけではその変化を感じ取ることが困難だったとのことです。さらに、音痴の被験者には脳の右側に異常も認められました。
このような先天的な音痴の場合は、通常のトレーニングで治療することは困難なようです。ただ、知能面をはじめ他には一切問題はなかったとのこと。
専門家らは「音痴と失読症などの言語障害や読字障害との関連が認められており、今回の研究結果は、聴力、言語能力および読字に関する症状の診断法や治療法に寄与するものと考えられる」と評価している。また、治療選択肢の可能性を得るきっかけとなり、種々の治療法が脳に対してどのような影響を及ぼすかを評価する道を開くものとして期待されている。
この分野での研究報告もMRIやPETでますます多くなってくるでしょう。
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2005.09.25
YomiuriONLINEより「歯の形や数を調節する遺伝子…京大チームが発見」
哺乳(ほにゅう)類の歯の形や数を調節している遺伝子を京都大大学院の伊藤信行教授(分子生物学)らの研究チームが見つけた。23日付の米科学誌「サイエンス」に発表する。
この遺伝子は「エクトディン(ectodin)」と呼ばれる遺伝子です。骨の形成を促進するタンパク質である「Bmp」の働きを抑えるものとして2003年に発見されました。
この遺伝子の働きを詳しく調べるために、エクトディンを持たないマウスを作ったところ、歯の形と数に異常が見られたとのことです。
欠損マウスの歯は平均約20本で、正常マウスよりも約4本多く、正常なら2本ある前歯(門歯)が4本あり、奥歯(臼歯)も本数が増えていました。
また、奥歯には上下の歯がうまくかみ合うようにと決まっている歯の形に、突起など異常が多くみられたうえ、ばらばらに生えていました。
この遺伝子は、歯ができるごく初期の段階で働き、歯の数や形を決めていると推測される。
哺乳類の歯の形や本数は進化を考える上でも大きな働きをします。何かの手かがりになるかもしれません。
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2005.09.18
Yahoo!NEWSより「余計な事気になるのが原因=大切なのは集中力−高齢者の記憶力低下・米大学」(時事通信)
年を取ると人の顔などをすぐに覚えられなくなるのは、記憶力が足りないのではなく、ほかの余計な事に気を取られてしまうのが原因−。米カリフォルニア大の研究チームが17日までに、高齢者の脳の働きを調べた実験結果を、米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンスの電子版に発表した。
調査はfMRIを用いて、60−77歳の高齢者16人と、19−30歳の若者17人を対象に行われました。
高齢者と若者の両方にある場面を記憶するように指示すると、高齢者も若者も脳内の活動が活発になりました。しかし、ある場面を無視するように指示した場合、若者は脳内の活動が低下したのに対し、高齢者はあまり低下しませんでした。
つまり、無視するべき余計なことに気をとられすぎるのが健康な高齢者でも生じる短期記憶の障害の原因ではないかと研究チームは推論しています。
健康な高齢者でも起きる短期記憶の障害は、ひどくなれば対人関係や車の運転などに支障を来す。研究チームは、記憶力ではなく、集中力の制御の問題なら薬で対処できるだろうと指摘している。
余計なことはできるだけ無視するように心がけましょう(笑)
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2005.09.16
Asahi.comより「勉強したら脳細胞増える マウスですが…大人にも希望?」
勉強すると脳細胞が増える仕組みの一端を、東大の久恒辰博・助教授(脳科学)と大学院生の戸塚祐介さんが実験で突き止めた。何かを覚える時に出ると知られている脳波の一種「シータ波」が脳の中の海馬という部分に伝わると、将来脳神経細胞に育つ前駆細胞が刺激され、最終的に脳細胞が増えることがわかった。15日付の米科学誌「ニューロン」に発表する。

海馬は大脳皮質に記憶を蓄積したり必要な記憶を引き出したりするときの出入り口となる部分です。これらの脳細胞はいったん失われると再生しないといわれていましたが、98年にスウェーデンの科学者が成人の脳でも海馬で神経細胞が生まれることを示しました。ただ、どのようなメカニズムで神経細胞が増えるのかは分かっていませんでした。
この実験では、マウスの脳に電極をさし、シータ波と同じような刺激を与えました。すると海馬にある前駆細胞が興奮し、この興奮が引き金となって前駆細胞が脳神経細胞に育つことが分かりました。
シータ波が海馬に伝わると、神経細胞が神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸(GABA)を出し、それが神経細胞のもととなる前駆細胞を刺激するというのが、そのメカニズムのようです。
またGABAと同じ神経細胞の興奮を抑制する作用をもつ抗不安剤をマウスに投与すると、GABA供給量が増え、新生ニューロンの数が通常の1.5倍になることも確認。逆にGABAを遮断する神経興奮剤を与えると前駆細胞が通常より3倍に増えましたが新生するニューロンの数は減少したとのことです。
シータ波は物を記憶しようとしたり、学習に集中しているとき、睡眠中などに出る脳波です。このシータ波が脳の細胞の新生のきっかけを担っているようです。
久恒さんは「人も学習しているときに海馬からシータ波が出ているとの研究がある。勉強すると頭がよくなる仕組みがわかった」と話す。
うつ病患者は海馬の神経細胞の新生が少なくなっていることが分かっています。うつ病などの治療に役立つかもしれません。
さて、数学の問題でも解きましょうか(笑)
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2005.09.03
Asahi.comより「マウスゲノムの70%に重要な機能 理研など解析」
マウスの遺伝情報全体(マウスゲノム)の大半が無駄と思われていたが、全体の長さの約70%が、遺伝子を調節するなど、細胞内で利用されていることを理化学研究所などの国際研究グループが解明した。人でも同様の仕組みがあると考えられ、たんぱく質を作る遺伝子を主体に説明する従来の生命観を覆す成果になる。2日付の米科学誌サイエンスに発表する。

ゲノム上にはタンパク質を作る遺伝子と、タンパク質を作らない遺伝子が混在しています。このうち意味があるのはタンパク質を作る部分であると考えられてきました。タンパク質を作るDNAは転写という機構によりRNA(リボ核酸)を作り、このRNAからタンパク質が合成されます。この領域がいわゆる「遺伝子」と呼ばれる部分です。残りの部分はその機能がはっきりとしないこともあり、「ジャンクDNA」ともいわれます。
ヒトゲノムの97%以上はジャンクであるといわれており、実際にタンパク質を作っているDNAは2%ほどに過ぎません。
マウスゲノムは約30億の塩基から構成されていますが、研究チームはマウスの細胞で作られているRNAを詳しく解析。その結果、ゲノムの70%以上でDNAがRNAを作り、大半は何らかの機能を果たしていることが分かりました。DNAが作った全RNAのうち53%(約2万3000個)は、タンパク質を作らないこともわかりました。
このようなジャンクDNAは全く無駄な領域であるという説もあれば、何らかの働きをもっているのではという説もあり、はっきりしたことは分かっていませんでした。
この研究ではこれらのRNAが決まった遺伝子やタンパク質と結びつき、その働きを抑えるなどの役割を持っていることが推測されています。ゲノムのうち意味があるのはごく一部であるとの従来の考え方を覆す報告です。
たんぱく質を作らないRNAが、生命活動の重要な役目を担っていることになる。理研グループは人にも同様の遺伝子調節の仕組みがあるとみている。新たに見つかった遺伝領域は、例えばがんに関連する遺伝子を調節するなど、医薬品開発の新たな目標になりうるという。
ヒトの遺伝子がマウスと同じくらいしかないのに、はるかに高度な生命活動を営めるのはこの領域のおかげかもしれません。
難病などの原因解明にもつながるかも。
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2005.09.02
Asahi.coomより「チンパンジーのゲノム概要解読 ヒトの能力解明手がかり」
ヒトに最も近い生物、チンパンジーの全遺伝情報(ゲノム)の概要を米国のチームが解読した。ヒトのゲノムと比較すれば、知性などヒト独特の能力を解明する手がかりとなるが、すでにヒトとチンパンジーの間で進化の様子が違う遺伝子の候補などもあり、今後の研究が期待される。この成果は1日発行の科学誌ネイチャーに発表された。

ヒトに最も近い動物であるチンパンジーのゲノム解析がほぼ終了しました。哺乳類のゲノムが解読されたのは、ヒト、マウス、ラットに続き4種目となります。
研究結果によれば、ヒトとチンパンジーのゲノムの違いは4%程度。このうち塩基が一つだけ違うのは全体の1.23%で、これはすでに日本のグループが示している結果と同じとなりました。しかし、挿入や欠失などが起こっている部分を含めると違いは4%程度となります。特にタンパク質を作る遺伝子に限ると、71%に微妙な違いがあることが分かりました。
ヒトとチンパンジーが共通祖先から枝分かれしたのは約600万年前とされていますが、ヒトとチンパンジーの双方でその後、いくつかの遺伝子について急速な変化が起きていることも判明。目立ったのは嗅覚や免疫、精子を作る遺伝子などでした。
MITの別のチームが解読データをもとに、Y染色体を人間と比較したところ、人間では昔からの遺伝子がよく保たれていたのにチンパンジーでは少なくとも5種類の遺伝子が機能しなくなっていたことも報告されています。雌の獲得に極めて激しい競争があるチンパンジーでは、精子づくりに関係しない遺伝子の機能が徐々に衰えたためと考えられます。
今回の結果は正確さが99%程度の概要で、まだはっきりしたことはいえないが、調べられた遺伝子の中には、ヒトとチンパンジー双方で突然変異が起きやすく環境適応に役立つと考えられるもの、チンパンジーよりヒトの方が進化が速いものの候補も見つかった。ヒトにあり、チンパンジーで失われるなどした遺伝子も50以上見つかった。
ヒトが直立歩行をしたり言語を習得することができたのはなぜかという問いにまだ答えは出ていません。チンパンジーとヒトのゲノムの違いを比較することはヒトがなぜヒトたり得るのかという問いのヒントになるかもしれません。
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2005.07.29
Exciteニュースより「ネコが甘い生活をおくれない理由」
ネコはアイスクリームが好きかもしれないが、ネコが引きつけられているのは砂糖の味ではない。というのも、ネコは遺伝学的に甘味を味わうことが出来ないからだ。25日、研究者の発表で明らかになった。

よく知られているように、ネコは食生活に関してはとても気むずかし屋です。そのネコが甘いものを好まないということは既に1970年代には実験で確かめられていました。しかし、なぜネコが甘いものを好まないのかということはよく分かっていませんでした。
全ての哺乳類は下に味覚の受容体があります。辛み、酸味、甘味、苦味などを感じるそれぞれの受容体のうち甘味の受容体はT1R2とT1R3という2つのタンパク質により構成されています。
フィラデルフィアの「Monell Chemical Senses Center」の研究チームはこの2つのタンパク質を作る遺伝子領域に欠陥があるのではないかとの仮説をもとに研究を行いました。チームはトラやチータを含む6匹のネコ科の動物から唾液と血液を採取し遺伝子を調査。
その結果、T1R2を生成する遺伝子部分に変異が生じており、タンパク質を生成できないことが分かりました。トラやチータでも同じ部分に変異があったようです。
この遺伝子を失ったことがネコが肉食になったことと関係があるのではと研究チームは推測しています。
「今でも不明なのはどっちが先かということです。肉食行動が先か、T1R2タンパク質の喪失が先か?遺伝子に関して言えば、使えなければ捨てるという事例なのか?」クマ、イヌ、アライグマなど肉食動物の多くが甘味を好む。
もしかすれば糖尿病などの治療にこの結果が生かされる日が来るかもしれません。
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2005.06.18
Yahoo!NEWSより「マンモスはアジアゾウ系 名古屋大の小沢教授ら解析」(共同通信)
名古屋大大学院の小沢智生教授(古生物学)が愛知万博(愛・地球博)会場で17日会見し、シベリアの永久凍土から発掘され公開中のケナガマンモスについて「DNAを解析した結果、アフリカゾウよりもアジアゾウと近縁であるとの結果が得られた」と発表した。

マンモスは約400万年前から1万年前頃まで生息していましたが、更新世末期に絶滅したとされています。
このマンモスはアフリカにおいてアフリカゾウの仲間、インドゾウの仲間などと分岐したと考えられていましたが詳しいことは分かっていませんでした。
しかし、マンモスはむしろアフリカゾウなどよりアジアゾウに近いゾウだったようです。
研究では愛知万博で展示してあるユカギルマンモスの細胞から採取したミトコンドリアDNA(1万6853塩基対)を全解読することに成功しました。これを現存するゾウのDNAと比較。すでにDNA配列が明らかになっているアフリカゾウ、アジアゾウなど8種類のゾウと比較したところ、アジアゾウのDNA配列とは数%しか異ならず、近縁種であることが判明。今まで考えられていたよりも古い約730万年前にマンモス、アジアゾウの共通の祖先がアフリカゾウなどの系統と分かれたと推定しました。
1万年以上前の先史に滅びた生物のミトコンドリアの遺伝子情報の特定は前例がないという。
忙しくてなかなか愛知万博に行けません。知人の添乗員はすでに10回以上行ったといってるのをうらやましく聞いています(笑)
<参考>「マンモスの絶滅は寒冷化のせい−ゴンとドテチンのせいではありません(笑)」・「愛知万博、マンモスの全身展示を断念−発掘できませんでした」・「マンモス頭部のCT画像−病気は見つかりませんでしたか(笑)」
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Asahi.comより「「仕方ない」でも脳は次善の策、別部位で思考 サル実験」
すし屋でトロを注文したら品切れで、しかたなく赤身を頼む――こんなときに活発に働く脳の領域を、京都府立医科大の木村実教授(神経生理学)らがサルの実験でつきとめた。やむをえず不本意なものを選ぶときの脳内メカニズム解明に一歩近づく成果だ。17日付の米科学誌サイエンスに掲載される。
これまでの研究では、動物が多くの選択肢を与えられたときは、金銭、名誉などの「報酬」の大きさで意思を決定することが知られており、大脳皮質や大脳基底核が関係するとされてきました。
しかし、現実の世界では報酬の大きな望んだものが必ず手にはいるわけではありません。
この研究では、期待しているものが手に入らず他のものしか得ることができない場合に視床にある正中中心核(CM核)といわれる部分が活性化することがわかりました。
実験では、緑のランプがついたときにサルがボタンを押せば報酬として水をたくさん与え、赤のときは少ししか与えませんでした。すると、赤をつけたときは緑に比べ、反応までの時間がわずかに長くなったそうです。大きな報酬が見込めないため、しかたなく選び、反応が鈍くなったと考えられます。
この時、電極を脳にさして脳神経の働きを調べるとCM核が活性化していることが判明。緑のランプのときは活性化せず、逆にこの部位を電気的に刺激すると、しかたなく行動したときのようにサルの反応が鈍くなることも確認しました。
この部位は特に落胆や不幸に関係していると考えられます。
木村教授は「期待通りに物事が進むことは少ない。ベストの選択肢が選べなくても、パニックに陥らず、次善の選択をするのは知的な行動だ。その脳のメカニズム解明の突破口になる」といっている。
思い起こせば、僕の毎日は正中中心核がつねに働いているようです(笑)
<参考>「同性愛の男性はやはり視床下部の働きに違いがあった?」・「強欲な人ほど進化の適応度が高い−慈善行動は不適応?」
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