2006.03.24

分子1個をはさめるピンセット!

YomiuriONLINEより「分子1個でもつまめる…“極小ピンセット”東大開発

分子1個をつまむことができる“極小ピンセット”を東京大学大学院工学系研究科の金原数(きんばら・かずし)講師らが作り上げた。
大きさは3nmで、髪の毛の太さの数万分の1。長さ約1nmの手を持ち、光が当たると他の分子をつかんだり、離したりすることができます。

光に反応して伸び縮みする有機化合物などを組み合わせて合成したということです。分子をはさむ開閉部とちょうつがいの部分に分かれ、はさみや鉗子に似た構造になっています。

従来のナノマシンは回転運動やスライド運動など比較的単純な動きしかできず、応用の範囲が限られていました。しかし、このピンセットは道具として使用できる画期的なものとなりそうです。

金原講師は、薬剤の極小カプセルをはさんで患部まで運ばせるシステムや、膜上に並べたピンセットに、物質の取り込み役を担わせる人工細胞膜の開発などへの応用を検討している。
使うの大変そうですが(笑)

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2005.11.22

フラーレンで造形−綺麗なラッパ型もできます

Yahoo!NEWSより「炭素分子をさまざまな形に 物質・材料研が手法開発」(共同通信)

炭素原子60個が五角形と六角形を組み合わせたサッカーボールのように結び付いた分子「フラーレン」を使って、さまざまな形の極小の素材を作り出す技術を物質・材料研究機構(茨城県つくば市)の中西尚志研究員らが開発し、21日発表した。
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フラーレンは黒鉛・ダイヤモンドに次ぐ第3の炭素の総称です。60個以上の炭素原子が強く結合して球状あるいは、チューブ状に閉じたネットワーク構造を形成しています。

このフラーレンはその性質上、ナノテクノロジーにおける電子部品として用いることが期待されていますが、小さなフラーレンを目的の形状に加工する手法は確立されていません。

この研究では、フラーレンにアルキル鎖を3本はやした分子を新たに合成。この分子でできた化合物に溶媒を加えてセ氏60度程度で2時間加熱した後、冷やしました。このときにフラーレンが集まろうとする力とアルキル鎖が集まろうとする力が溶媒によって変化するため、様々な形の物体を作ることができたとのことです。

できた物体の形を電子顕微鏡で観察すると、円盤状(ディスク型)、チューブ状、カプセル状、コーン構造などがありました。

いずれも大きさは数十ナノメートルから数ミクロン。

フラーレンは、電気を通す性質を持っているため、電子回路の部品や燃料電池の電極などへの応用が期待されている。
フラーレンを使った実用素材の開発が一気に進みそうです。

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2005.10.25

究極のミニカー?

CNET Japanより「世界最小の「ナノカー」--米ライス大学が開発

米ライス大学の研究者らが、究極のハイテクカーを開発した。比較的少ない数の炭素原子でできたこの車両は、硬い金でできた道の上を走行する。
ナノカー8年がかりで開発されたこの究極のミニカー(?)は、全長が3−4ナノメートル。人間の髪の毛が約8万ナノメートルですから、その小ささは驚きです。

シャシーはH型に組み立てられた炭素原子でできています。4つの車軸の先端には、フットボール型のC60分子から作られたボールのような車輪が取り付けられています。

このナノカーは金箔の上を車輪を回して走ることに成功しました。電界などの手段を用いて方向を変えることも可能だということです。

このナノカーとは別に荷物を運べるナノトラックも存在するようです。また、将来登場するナノカーはフォトンを動力にしたエンジンで進むようになるほか、いくつかの分子の貨車でできた一種のナノ列車も登場することになっているとのこと。

「われわれは、Mini Cooperのようなナノカーもつくった。これの大きさは縦横とも2ナノメートルだ。また6輪のバージョンもある」と、同大学で化学、機械工学、素材化学、コンピュータ科学を教えるJames Tour教授は述べている。
ナノ素材を運ぶのにナノ列車が使われるようになるのでしょうか。

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2005.07.13

水を使わないシャボン玉を作成−150℃でも壊れません

Yahoo!NEWSより「水含まぬシャボン膜発見 世界初、高温でも壊れず」(共同通信)

水を全く含まない乾燥したシャボン膜を世界で初めて発見したと、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)の一ノ瀬泉アソシエートディレクターらの研究グループが12日、発表した。18日発行のドイツの化学雑誌に掲載される。
Shakeyシャボン玉は石鹸などの界面活性分子で表面が覆われた薄い水の膜でできています。これまでにも薄膜は多くの研究が行われてきましたが、これらはすべて構造安定化のために水を必要とし、乾燥すると消滅するような膜でした。

この研究はナノサイズの自己支持性薄膜を作成するために行われました。シャボン玉が小さなフレームの中でも均一な厚みの薄膜を形成することに研究チームは着目。直径10マイクロメートルの微細な穴が開いた基盤を作成。これをアンモニウム基を親水部にもつ界面活性剤などの溶液につけて乾燥させ、厚みが2−3ナノメートルの極めて薄いシャボン膜を作成することに成功しました。この膜は150℃以上でも壊れなかったとのこと。

同機構によると、シャボン玉やせっけんの泡は、泡を作る性質を持つ「界面活性分子」で表面を覆われた薄い水の膜でできているが、これまでは乾燥させると膜は壊れてしまった。
ナノ薄膜がいろいろな分野で使われているため、非常に幅広い応用がききそうです。

これで面白いオモチャはつくれないかな(笑)

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2005.06.14

世界一小さいブラシ−歯はカーボンナノチューブ

Yahoo!NEWSより「超微細なブラシ作製=毛の部分が炭素ナノチューブ−微小機械道具に応用へ・米大学」(時事通信)

髪の毛より細い筒状炭素分子、カーボンナノチューブ(CNT)を毛の部分にしたブラシを作ったと、米レンセラー工科大とハワイ大の共同研究チームが13日、英科学誌ネイチャー・マテリアルズの電子版に発表した。
カーボンナノチューブで造ったブラシこのブラシを作ったのは、米レンセラー工科大とハワイ大の共同研究チーム。人間の髪の毛の1000分の1以下の太さです。毛はカーボンナノチューブで作られています。強度のあるカーボンナノチューブナノなので横から押しても十分に強くまた弾性のあるブラシに仕上がりました。

研究チームはすでにカーボンナノチューブの成長の制御に一部成功していました。今回は、歯ブラシや櫛の歯の形にカーボンナノチューブを成長させることに成功しました。

チームは炭化ケイ素の繊維を熱したカーボンのガス中において歯ブラシの毛を作りました。

このブラシはナノサイズの埃の除去や、微細構造のペイント、水中での汚染物質のクリーンアップを可能にしました。また、マイクロモータのブラシや医療的な用途も考えられます。

顕微鏡で見ながら、実際に微粒子のごみを掃除したり、液体を混ぜたりすることにも成功。超微小な機械を作り、利用する上で役立つと期待される。
カーボンナノチューブのロープはできるのでしょうか。

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2005.05.28

穴を開ければ発光ダイオードの明るさが5倍に!

毎日新聞より「発光ダイオード:微小な穴で発光量が4〜5倍に

発光ダイオードの心臓部となる光半導体に微小な穴を開けると、外部への発光量が4〜5倍に増えることを京都大と科学技術振興機構の研究チームが発見した。
穴を開けた発光ダイオード発光ダイオード(LED)は電流を流すと発光する半導体素子です。1960年代に入って研究が進み、赤色、黄緑色のLEDがまず開発されました。その後1970年代には黄色が開発。そして1993年に青色LEDが開発されました。

発光ダイオードは消費電力が蛍光灯の約2分の1、寿命は構造上、半永久的といわれています。実際の製品では10万時間程度ですが、それでも通常の蛍光灯や白熱灯にくらべるとはるかに長くなっています。

さらにLEDは白熱灯にとって変わる日も近いといわれてきました。白熱灯は熱の副産物として光を得ているためエネルギーの多くが無駄になっています。一方LEDは電気を直接光に変えているのでエネルギー的にも高い効率を誇ります。

ただ現在の発光ダイオードでは、光の8割程度が発光体の内部にとどまってしまうため、蛍光灯と同じ強さの光を得るためには約2倍のエネルギーを必要としていました。

京都大の野田進教授らはガリウムでできた厚さ250nmの光半導体の表面に390−480nm間隔で直径250nmの穴を開けました。すると、光が半導体の中を横方向に広がらず、上下方向のみに集中してでてきました。光が余計な方向に広がらないことで、発光強度は4−5倍に跳ね上がったとのこと。

野田教授は「半導体レーザーなど、他の発光素子にも応用できる。照明に加え、ディスプレーや光通信など発光素子が既に応用されている分野の効率改善にも貢献できる」と話している。
あとはコストの問題ですね。

<参考>「安価な酸化亜鉛で青色発光ダイオード−ふんだりけったりの日亜化学?」・「工場でレタスを作る−エネルギーもったいなくはないですか?

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2005.04.03

光をあてるとフルカラーに着色される材料

Yahoo!NEWSより「光の色に染まる新素材開発 壁紙やスクリーンに応用へ」(共同通信)

照射した光の色に染まる素材を立間徹東京大助教授(電気化学)や大古善久科学技術振興機構研究員らが2日までに開発した。簡単に染まり、染め直しも可能。
いわゆるフォトクロミックデバイスです。これは光にあてると色が変わる物質のこと。この色の変化は可逆的で、なんらかの方法で元の色に戻すことも可能になっています。

この研究で開発されているのはフルカラーのフォトクロミック材料。光をあてるとあてた光の色に着色されます。

酸化チタンの膜に銀イオンを付着させ、これに紫外線を照射して銀をナノ粒子にすることで完成します。通常は褐色をしていますが、青、緑、黄、橙、赤などの光をあてると、その色に変化します。一度変化すれば蛍光灯などのもとでも数時間は色が持つとのこと。もう一度紫外線を当てると元の色に戻すこともできます。

これは酸化チタンの膜に付着している銀粒子が様々な大きさと形状を持っていることが原因です。例えば赤色の光を照射すると赤色の光を吸収する粒子の電子だけが励起。この電子が酸素に奪われて無色の銀イオンに酸化されます。すると赤色の光は吸収されず反射されるようになり膜は赤色に見えます。

絵柄を変えられる壁紙や投影した画像を保存できるスクリーンなど、さまざまな応用が期待できるという。
その他光学的なメモリーなどにも応用がききそうです。

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2005.02.04

カーボンナノチューブで紙漉

Yahoo!NEWSより「カーボンナノペーパー開発 信州大、ナノテク新素材」(共同通信)

ナノテク素材として注目される極細の筒状炭素物質カーボンナノチューブが二重になった「2層カーボンナノチューブ」を、薄いシート状の「カーボンナノペーパー」に加工する技術を遠藤守信信州大教授とメキシコ、米国の共同チームが開発、3日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
2層のカーボンナノチューブは直径が1−2nmのチューブ内にもう1つチューブが入った構造をしています。極小のトランジスタや電子デバイス素材、携帯電話のリチウムイオン電池の電極などに利用されているカーボンナノチューブには、その構造から「単層」「2層」「多層」などの種類があります。このうち「2層」は、強度や電子的な特性面で高い機能を期待されていますが「2層」のみの生産が難しいとされてきました。

今回、研究グループは従来のCCVD法を改良。まず鉄を触媒にしてカーボンナノチューブを合成する際、モリブデンを補助的な触媒として使い、単層のナノチューブと2層ナノチューブの混合物を作成。これを塩酸処理後、850度前後で燃焼させることで「2層」のみを残すことが可能になったということです。

省エネ型液晶ディスプレーの素材などとして実用化が期待されているが、高純度で作ることが難しかった。遠藤教授は「量産化の方法も検討したい」と話している。
カーボンナノチューブはすでに製品として実用化されているものもあれば、まだまだ開発が進んでいないものもあります。半導体の分野に関してはまだまだ時間がかかると思いますが先行きは明るそうです。

宇宙エレベータの実現はいつになるのかな(笑)

<参考>「カーボンナノチューブ、水を加えてコスト激減−軌道エレベータはいつできるの?」・「カーボンナノチューブ内に室温で氷ができた−マドラーにはなりませんかね(笑)」・「エレベータ−で「宇宙へまいりまぁす」

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2005.01.06

原子スイッチの開発−電子より大きいのに小さくなりました

Yahoo!NEWSより「「原子スイッチ」を開発=超小型コンピューターに応用期待−物材機構」(時事通信)

硫化銀と白金の超極細電線の交差点で、銀の原子の動きを制御し、電線同士をくっつけたり離したりする「原子スイッチ」の開発に成功したと、物質・材料研究機構などが6日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
原子スイッチ通常、電子機器に用いられているのは半導体デバイス。電子の移動を制御することでスイッチとしての役割をはたしています。

今回開発されたものは、それよりも大きな銀原子を利用していますが、半導体デバイスよりもはるかに小さなものが作れるとのことです。

この原子スイッチでは、硫化銀と白金の電極を1nmほどの間隔で向かい合わせにおき、電圧をかけます。すると硫化銀の電極から10個程度の銀原子が突起状にのびて白金電極に接触、ブリッジをつくります。

電子よりもはるかに重く、大きな原子を直接制御していますが面積は30分の1程度ですむようです。

論理演算回路を作れるほか、消費電力が小さく、高速動作が可能なことから、超小型で高性能なコンピューターの開発に応用できると期待される。
このデバイスは、消費電力が小さい、不揮発性である、サイズが小さいなどの特性に加え、学習機能をもつという利点があるようです。実用化されればコンピュータ・テクノロジーの発展の材料になる可能性は秘めていますね。

<参考>物質・材料研究機構

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2004.12.21

カーボンナノチューブ内に室温で氷ができた−マドラーにはなりませんかね(笑)

Yahoo!NEWSより「27度でも内部に氷形成 カーボンナノチューブ」(共同通信)

東京都立大と産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は20日、極めて細い筒状の単層カーボンナノチューブ内で、セ氏27度でも筒状の氷「アイスナノチューブ」ができることを発見したと発表した。
常温でのアイスナノチューブカーボンナノチューブ内で氷ができることは数年前から知られていますが、室温で氷になるという摩訶不思議な現象が発見されました。

通常、室温で氷を作るには1万気圧程度の高圧が必要になります。今回の研究では単層のカーボンナノチューブ内で5個の水分子が環状に配列した、いわゆる筒状の氷がX線回折実験により発見されました。

また細管内での氷の融点は細管の直径が細くなるにしたがって低くなるという今までに知られている事実とは反対の現象も見いだされたようです。

ナノテクノロジーを推し進める上でナノ空間内における水分子の挙動解析は早急に解明しなければいけない課題です。今回の現象もなぜそうなるのかは分かっていません。

45度程度ではカーボンナノチューブ内の水が急激に気化して噴出し、研究グループの真庭豊・助教授は「インクジェットプリンターなどに応用できるのではないか」と話している。
この原理でインクジェットプリンターを作ると、一度に吐出するインク量は市販のものの10億分の1程度となるようです。

僕自身はそこまで高性能なプリンターはいらないんですけど。むしろいつでもつめたいマドラーなんて作ってくれませんか(笑)

<参考>産業技術総合研究所

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