2005.11.11

砂糖から硫酸にかわる高性能な固体酸触媒が作られた!

Asahi.comより「砂糖からエコ触媒、焼いて煮るだけ 東工大チームが発見

砂糖を焼いて煮た物質が、石油製品を作る性能のよい触媒として使えることを、東工大の研究チームが見つけた。繰り返し使え、消費エネルギーが少なくて済む「エコ触媒」だといい、ガソリン添加剤などの製造で工業利用する研究も進んでいる。10日付の英科学誌ネイチャーで発表した。
触媒はそれ自身は変化せずに化学反応を活性化する物質で、石油製品の製造には不可欠なものです。現在主に触媒として使われているのは硫酸ですが、硫酸は毒性・腐食性が高く、液体のため分離・回収しにくいという欠点があります。

そのため繰り返し使用することができ、分離・回収が容易な固体の酸触媒の開発が行われています。

この研究では、硫酸なみの能力をもつ固体酸の開発に成功しました。東工大資源化学研究所の原亨和助教授らは、砂糖やでんぷんなどの炭素化合物を300−400度で加熱させ、砂糖でいえばカラメル状態と炭のあいだの「中途半端な炭」にして硫酸で煮ることで、硫酸並みの触媒能力を持つ固体の化合物を作りました。

炭素材料を低温で炭化し、スルホン化することによって得られるアモルファスカーボンということになります。

酸を触媒とする反応においては高い能力を示し、特にバイオディーゼル燃料の合成においては、通常の固体酸の8倍という高い活性を有するとのことです。

廃油や植物油から作り、二酸化炭素(CO2)削減効果が期待されるバイオディーゼル燃料の製造でも、液状の触媒が使われている。できた燃料との分離に手間とコストがかかり、結果的に大量のエネルギーが消費される。原助教授らの触媒は材料が安価で製造工程もシンプルなため、ディーゼル車の多い海外でも注目されているという。
アルコールや食品添加物、医薬品などを作る反応においても利用できるようです。

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2004.11.10

磁石に吸い付く液体を発見

まだ小さかった頃、磁石で遊んでいた僕は母親が大切にしていたカセットテープのテープを線路に見立てて磁石で電車ごっこをしていました。結果は・・・こっぴどく怒られました(笑)

YomiuriONLINEより「世界初、常温で磁石に吸い付く液体発見…東大チーム

常温で磁石に吸い付く液体の化合物を、東京大学理学部の浜口宏夫教授(物理化学)が世界で初めて発見した。こうした化合物は、これまでまったく知られていない。
磁性液体液体で磁性をもつものとしては液体酸素があります。きれいなコバルトブルーの液体酸素に強力な磁石を近づけると吸い寄せられるのが観察できます。問題は酸素の沸点がマイナス183度であることです。

また、純粋な液体でなければ磁性流体というものが1960年代にアポロ計画を推進する中で開発されました。宇宙機器や宇宙服のシール材として開発されたものですが、直径が10万分の1mmほどの強磁性体の粒子を水や油に分散させたものです。

ただ、このような常温で磁性をもつ完全な液体はこれまで存在しませんでした。

浜口教授らのグループは、食塩のようにイオンで構成されながら、常温で液体である「イオン液体」に注目。陰イオンを磁石にくっつくイオンに置き換えれば、液体そのものが磁石にひかれるはずだと予測し、実際に合成すると、予想通り磁石についた。
使用したのは陽イオンには窒素を含む有機物、陰イオンには鉄と塩素の化合物だそうです。

えらくあっけない感じですね(笑)

ちなみに酸素が磁性を持つことを発見したイギリスの化学者ジェイムズ・デュワーは魔法瓶の発明者でもありますね。

<参考>東京大学浜口研究室

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2004.10.13

ナノテクで細菌検査−1個から検出できます

妻はここ3年間で2回も食中毒にかかりました。恐怖がよみがえるのか生ものは一切食べません。美味しいのに可哀想です(笑)

Yahoo!NEWSより「有害細菌、1個でも検出 ナノテク使い20分以内で」(共同通信)

病原性大腸菌O157などの有害細菌が1個でもあれば、20分以内に検出できる高感度検査法を、米フロリダ大がナノテク技術を使って開発、米科学アカデミー紀要(電子版)に11日発表した。食品の検査や生物テロ対策に役立ちそうだ。

妻の場合もそうでしたが、通常は食中毒の原因菌を特定するのに1−数日かかります。病院から原因菌を調べますから後日聞きに来て下さいといわれるのですがその頃には全快。聞きにいったことはありません(笑)

食中毒をおこす細菌には大腸菌以外にもサルモネラ菌、ビブリオ菌、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター菌、セレウス菌などがあります。通常の細菌検査では培養過程が必要なため菌の数を測定するだけで2−3日、細菌の特定にはさらに日数が必要になります。迅速な検査方法もできているようではありますが。

 同大は、特定の細菌だけに結びつく抗体と呼ばれるタンパク質に、蛍光色素の粒子を数千個も詰め込んだ、直径約60ナノメートル(1ナノは10億分の1)のケイ素化合物の超微粒子を結合させた。牛ひき肉に混ぜたO157で実験したところ、1個の細菌でも20分以内で検出できた。

コストもかからない簡易検査キットができれば食品検査がずいぶんと楽になるでしょう。検査会社は大慌てかもしれませんが(笑)

蛍光色素の粒子を詰め込んだケイ素化合物ということはその細菌があれば光るんでしょうか。

ただ、1個でも菌があれば検出できるということになれば調べてみると案外多くの食品から菌が検出されることになるかも。恐ろしくて何も食べられなくなったらどうしましょうか(笑)

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2004.09.29

新元素発見−ニッポニウムの無念を晴らせるか

原子番号113の元素は昨年すでに合成されたと思っていたのですが、

毎日新聞より「理研:「最も重い新元素」生成に成功

 これまで存在が確認されたどの元素より重い、新元素の生成に成功したと理化学研究所が28日、発表した。日本の研究チームが単独で新元素を発見したのは初めて。新元素の原子核は陽子113個と中性子165個でできており、原子番号は113番。データが補強され、新元素と認められれば、国際学会から研究チームに元素の命名権が与えられる。日本にちなんだ「ジャポニウム」や理研にちなんだ「リケニウム」などの名前が候補にあがっている。

いわゆる超重元素といわれるものです。地上に存在する最も原子番号の大きい元素はウラン(原子番号92)ですが、それよりも原子番号の大きい元素が加速器などを用いて合成されてきました。

周期表にはだいたい原子番号103のローレンシウムまでしかのっていないことが多いのですが、それより原子番号が大きい元素は不安定で寿命が短いためです。

原子番号の大きい元素としては113のウンウントリウム、114のウンウンクアジウム、115のウンウンペンチウム、116のウンウンヘキシウム、117のウンウンセプチウム、118のウンウンオクチウムなどがあります。変わった名前ですが全て仮称で発見者に命名権が与えられます。

このうち113、114、115、118の元素はすでに発見されたと思っていたのですが、データが不十分で命名権は与えられていないとのこと。今回は大丈夫なんでしょうか(笑)

 理研の森田浩介・先任研究員らは今年5月、毎秒2兆5000億個の亜鉛原子(陽子数30個)をビスマス原子(同83個)に高速で衝突させる実験を始めた。80日間続け、陽子数113個の新元素の原子を1個確認した。この原子は放射線を出し、約1万分の3秒後により軽い元素に変わった。

113の元素は2003年にアメリカとロシアのチームによって初めて確認されました。そのときは確か1.2秒ほど存在していましたが、今回は1万分の3秒。ずいぶん寿命が短くなりました。

アメリカとロシアのチームに命名権が与えられていないということは存在がその後確認できなかったということでしょうか。この世界にもゴッドハンドは存在していて、原子番号116の元素は1999年にアメリカの科学者が発見したといわれていましたがその後捏造であることが判明しています。

日本人が発見した元素といえば、元東北大総長の小川正孝教授が「ニッポニウム」という元素を発見したとされましたがいくつかの誤りが判明し周期表から消されてしまいました。残念。

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