2006.04.13

ゆで卵を回すとやっぱり宙に浮いた!-理論予測を実験で証明

Asahi.comより「回転ゆで卵はジャンプする 慶応大教授ら、実験で検証

横になったゆで卵を勢いよく回すと、起き上がる途中で卵がわずかにジャンプすることを、慶応大の下村裕教授(物理学)らが実験で確かめた。跳びはねる様子は、下村さんが昨年発表した理論予測とほぼ一致した。
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コマのようにゆで卵を横に回すと縦に起き上がる現象は「ゆで卵の逆説」とよばれ、よく知られていましたが、その理由は長年、謎とされてきました。この現象を数式で解明したのが下村教授らの研究グループです。2002年に数式で仕組みを解明することに成功しました。

さらに昨年、卵が起き上がる際に上下の振動を繰り返し、ごくわずかですが宙に浮くことも予測していました。

検証はなかなか難しいと思われていましたが、今回、計測技術の専門家と作った「卵回し装置」で、ゆで卵の回転を観察しこの現象の実測に成功しました。

卵を模したラグビーボール状の金属球(長径6cm)を1秒に25回転させ、ジャンプした後に落ちる音やその際の映像、テーブル面の銅板に蓄えられる電気容量の変化などを分析。

その結果、起きあがるまでの1.2秒間に計6回、最大約0.1mmのジャンプが確認されました。滞空時間は約0.02秒で計算通りだったとのことです。

12日、英王立協会紀要(電子版)に論文が掲載される。
実際の卵でも確認できたようです。細長い卵のほうがジャンプしやすいとか。僕も人力で何度も試してみましたが、妻に怒られただけでした(笑)

<参考>「毎秒30回転で卵を回すと宙に浮く!−理論的に証明

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2006.01.08

世界最大の素数を発見−新聞726ページ分の数です

YomiuriONLINEより「過去最大の素数発見、パソコン7万台結び910万ケタ

米国のセントラルミズーリ州立大は、同大の数学者と化学者の2人が、過去最大の素数を発見したと発表した。
同大学の数学・コンピューター科学教授カーティス・クーパー博士と、化学教授のスティーブン・ブーン博士が発見した素数は、「230402457-1」。

これは、915万2052桁の数でで、昨年2月に記録された781万6230桁を大幅に上回りました。

2人は、世界で数百万台のコンピューター・ネットワークを結んだ素数発見のためのプロジェクト「グレート・インターネット・メルセンヌ素数調査(GIMPS)」を利用してこの素数を発見しました。

nが素数のとき、2n-1 の形をした自然数をメルセンヌ数といいます。このうち素数であるものをメルセンヌ素数といいますが、これは17世紀のフランスの数学者メルセンヌがこのような素数を研究したことに由来しています。

GIMPSはこのメルセンヌ素数の発見を目的として行われている分散型コンピューティングで、多くの成果をあげています。

東京大学の平木敬教授(コンピューター科学)によると、大きなケタ数の素数を求めるには、2を何乗かした数から1を引いた数の中から探していく方法が一般的。様々なテストで素数の候補を絞り込んでいき、その数が割り切れないことを多数のコンピューターで計算し確認する。平木教授は「このやり方で難しい暗号の解読も可能になる」と今回の研究の意義を話している。
今回の素数は43番目のメルセンヌ素数となります。

しかし、メルセンヌ数で素数であるものが無限に存在するかどうかという問題はまだ未解決のままです。

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2005.07.21

数学オリンピック、今年も中国の圧勝−日本も過去最高の成績

YomiuriONLINEより「3高校生が「金」、日本チームは8位…国際数学五輪

世界の中高生が数学の難問に挑む「国際数学オリンピック」が18日までメキシコで開かれ、日本から参加した筑波大付属駒場高校(東京都)3年の栗林司さん、同2年の渡部正樹さん、私立高田高校(三重県)1年の片岡俊基さんの3人に、成績優秀者に贈られる金メダルが授与された。
今年の数学オリンピックも幕を閉じました。数学オリンピックは毎年行われる高校生を対象にした数学の問題解決能力を競う国際大会です。

第46回大会に当たる今年はメキシコのユカタン州の中心地メリダで行われました。

テストは2日間あり、それぞれ3問ずつに挑戦。各問題は7点満点で採点され満点は42点。一つの国から最大6人の選手が参加でき、その合計点数で国別の順位をつけます。また上位1/12には金メダル、次の2/12には銀メダル、次の3/12には銅メダルが与えられます。

第31回の北京大会から参加している日本ですが金メダル3個は過去最高です。

日本チームの国別順位は8位だった。
今年もやはり1位は中国。さすが10歳の大学生が誕生する国です(笑)

2位はアメリカ、3位はロシアとなったようです。

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2005.07.09

電子2個でハイトラ-ロンドン状態の作成に成功−量子コンピュータに近づいたのか?

Yahoo!NEWSより「電子2個を自由に操作=量子コンピューター実現に期待−科技機構」(時事通信)

極低温に冷却した微細な半導体装置で、2個の電子の状態を自由に操作することに成功したと、科学技術振興機構の羽田野剛司研究員や東大大学院工学系研究科の樽茶清悟教授らが8日付の米科学誌サイエンスに発表した。
人工分子の電子顕微鏡写真量子コンピュータは従来のコンピュータと異なり、量子力学の特性を利用するもので、従来のコンピュータで行うと天文学的な計算時間を要する問題でも短時間で解くことができます。

このコンピュータの基本単位は量子ビットといわれていますが、その候補として核磁気共鳴、イオントラップ、ジョセフソン接合などが提案されています。どれもまだまだ現実的なものとはなっていませんが、その中に量子ドットという箱に閉じこめた電子のスピンを量子ビットとして利用するというアイデアがあります。

この電子スピンを利用する方法では、正確に1個ずつの電子を2つの量子ドットに配置しいわゆる「ハイトラ−ロンドン状態」をつくり出し、これを制御する必要があります。

この研究では、ガリウム・ヒ素の半導体を用いて作られた300−400nmの人工原子を2つ並べた人工分子をつくり、それを制御する電極を取り付けました。この電極を走査することで電子を注入しハイトラ−ロンドン状態を作り出し、制御することに成功したとのことです。

現在のコンピューターでは不可能な膨大な計算を一瞬でこなす「量子コンピューター」の実現に役立つと期待される。
ゆっくりとではありますが量子コンピュータに近づいているかもしれません。

<参考>「量子テレポーテーションで原子をおくる

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2005.05.21

毎秒30回転で卵を回すと宙に浮く!−理論的に証明

先日、車の中で買ってきた卵の上に座ってしまいました。掃除に半日かかりました(笑)
Asahi.comより「ゆで卵、毎秒30回転以上で宙に浮く 慶大教授ら予測

横になったゆで卵をコマのように高速でまわすと、ある時点でひとりでにジャンプする――直感的には信じがたいこんな奇妙な現象を、慶応大の下村裕教授(物理学)と英ケンブリッジ大の研究者が厳密な数学に基づいて予測した。近く英王立協会紀要に論文が掲載される。
卵下村教授は、2002年に卵を勢いよく横に回転させるとひとりでに起きあがる現象を流体力学などの理論で解明しました。よく知られた現象ですが、重心が重力に対して上昇する点が不思議な現象です。長年、理論的な説明がなされていませんでしたが、地面との摩擦で回転エネルギーが徐々に失われ、上方向への力が働くことを発見し、この運動を表す非線形連立微分方程式の解を得ることに成功しています。

今回はその研究をさらに進め、起きあがる過程で卵が細かく振動する様子を、流体力学などの理論を用いて詳しく解析。

すると、毎秒30回転以上の速さで卵を回転させると、起きあがり始める段階で重心が小刻みに上下に揺れ、その振幅が次第に大きくなることが分かりました。このとき、卵は重力で地面に押しつけられていますが、増幅する揺らぎによって上方向へ行こうとする力がだんだんと大きくなり、一時的に重力とつりあいます。

そして回転軸が45度前後になったときに、なんとわずかに卵が宙に浮くことが分かりました。計算では浮き上がる高さは最大約0.1mm、浮上時間は0.02秒以下とのこと。

「とても不思議だが、想定した方程式が正しければ実際に起きるはず」と下村さん。人の手でも熟練すれば出せる回転速度だというが、精密な検証実験は難しく、まだ実現していない。
ちょっと試してみようと卵を探しに冷蔵庫へいきましたが、前の買い物で割ってしまった卵は当然冷蔵庫にはありませんでした(笑)

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2005.04.29

机の上で核融合に成功−ただしエネルギーは取り出せません

Yahoo!NEWSより「卓上核融合に成功と発表 エネルギー源は無理」(共同通信)

卓上に置ける小さな実験装置で、核融合反応を起こすことに成功したと、米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)のセス・パターマン教授らのチームが27日、英科学誌ネイチャーに発表した。
核融合常温核融合は1989年にサウサンプトン大のマルチン・フライシュマン教授とアメリカ・ユタ大学のスタン・ポンス教授が発見したと報告してから一躍ブームになりましたが、追試でも同じ結果が再現されないことや、その他実験結果および発見者の報告に怪しいところが多すぎたためほぼ葬り去られた状況となっています。

しかし、この常温核融合も固体内核反応など別の観点から研究を続けている研究者もいるようです。

今回のセス・パターマン教授らの研究ではタンタル酸リチウムの結晶を希薄なガス中で加熱するとX線を放つ現象に着目。核融合への応用を試みました。

トースター程度の大きさの装置に核融合の燃料である重水素のガスとタンラル酸リチウムの結晶を封入。加熱すると、結晶周辺に生じた強い電界で重水素の原子核(重陽子)が加速され、他の原子核と衝突し、核融合を示唆する中性子の発生を検出できたということです。

ただ、核融合を起こさせるために要したエネルギー量以上のエネルギーを生み出すことはできなかったということで、本来のエネルギー源としての意味の核融合とは異なります。

核融合は、無尽蔵なエネルギー源になると期待されているが、今回の方法は反応が持続しないので、エネルギー源には使えそうにないという。
 同教授らは「医療や産業向けの小型の中性子発生装置としての用途が期待される」としている。
加速器で加速した重水素を衝突させたのと同じことが小さな装置の中で起きたのでしょうか。そうだとすれば、それはそれですごいことかも。

この教授は常温核融合の否定論者として有名じゃなかったかな。

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2005.04.20

世界一の高層ビルにE=mc^2

昨日のアインシュタイン博士の命日の光のリレー。参加登録したものの僕は仕事中だったので妻に家の電気を消してもらいました。ただ、参加人数は日本全国で5000人弱と今ひとつインパクトに欠けたかもしれません。

毎日新聞より「アインシュタイン:台北の101ビルに相対性理論の公式

物理学者アインシュタインの特殊相対性理論発表100周年と没後50年を記念し、台湾の物理学関係者らが19日夜、台北市内にある世界一のノッポビル「TAIPEI 101」(高さ508メートル)の室内灯を使い、質量とエネルギーの関係を示す公式「E=mc2」を浮かび上がらせた。
Taipei 101光のリレーは無事日本を通過したようです。もう少し参加人数が多ければ、衛星などからも見ることができたかもしれませんが。一方、台湾ではなかなかインパクトのあるイベントが行われたようです。

このイベントに参加した台湾の関係者たちは、光の信号が台北市に到達する19日夜にあわせて、公式のライトアップを企画。

その舞台となったのが世界一の高さを誇るビル「TAIPEI 101」です。

ギネスブックにより世界一の認定を受けたのが昨年。正式オープンしたのはつい先日のこのタワービルは、地上101階、地下5階。高さは508mを誇ります。地上7階までの低層階はレストランやショッピング街になっており、7階以上はオフィスビルとして利用されています。最上階の101階にはレンタルのVIP会議ホールもあります。

地球を西回りにリレーでつながれた光の信号が台北市に到着するのとほぼ同時に、同市のランドマークとなっている同センターの北側の室内の電灯がともされ、ビルに光の公式が描かれた。
写真で見るかぎり、花火も上がってなかなか綺麗なイベントだったようです。何も知らずに見たら少しギョッとするかもしれませんが(笑)

<参考>「世界最速のエレベータ、分速1010m!」(サイト内リンク)

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2005.04.08

ダンテは慣性の法則を知っていた?

YomiuriONLINEより「ダンテは「慣性の法則」知っていた?「神曲」に描写

ガリレオが「慣性の法則」を発見する300年以上前に、ダンテがその基本原理を理解し、叙事詩「神曲」の中に描写していたことが明らかになった。イタリア・トレント大のレオナルド・リッチ研究員の成果で、7日発行の英科学誌ネイチャーに掲載される。
神曲ニュートンの運動の第1法則として知られる「慣性の法則」はニュートン以前にガリレオやデカルトによって提唱されていたものをニュートンが基本法則として整理しました。

物体に力が働いていないか、釣り合っていれば、静止している物体は静止しつづけ、運動している物体は運動しつづけるという法則です。

ガリレオが落体の研究を通じてこのような考えを導き出したのは1600年頃といわれていますが、1300年頃にダンテ・アリギエーリによって書かれた長編叙事詩である「神曲」の中に慣性の法則を感じさせる記述があったということです。

リッチ研究員によると、この表現は神曲「地獄編」の第17歌に登場。2人の詩人が翼の生えた怪物の背中に乗って地獄を下降する場面を描いた、「ゆっくりと泳ぐように進み 旋回しながら降下する されど顔に当たる風、下から来る風によってのみ飛んでいるとわかる」という部分。

怪物が等速で飛んでいるため、乗っている主人公は動いているのがわからないほど静かだと感じている。リッチ研究員は、飛行経験がないはずのダンテが、慣性の法則を「驚くべき直感」で理解したうえで表現したと指摘している。
天才はやはり天才だということでしょうか。

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2005.03.09

階段を上る油滴−まるでスライム(笑)

Yahoo!NEWSより「自分で動き回る油滴発見 周囲との化学反応で駆動」(共同通信)

小さな油滴がアメーバのように自発的に階段を上ったり、ぐるっと一回転したり−。生物ではない油滴がまるで生物のように周囲からエネルギーをもらって動く不思議な現象を吉川研一京都大教授らの研究チームが8日までに発見、米物理学誌フィジカル・レビュー・レターズに発表した。
動き回る油滴油滴が動き回るビデオがここにあります。これを見れば、油滴が直線上を往復運動する様子、ジェットコースターのループのように垂直な円運動をする様子、そして何と階段を上る様子を見ることができます。

油滴が何か生物に見えて不思議なものです。

研究チームはヨウ化カリウムを含む油を界面活性剤の溶液の中におきました。すると油滴が生物であるかのように動き回ったとのこと。静電気的エネルギーか化学エネルギーを周囲からもらって駆動しているようですが、もしこの原理で駆動する機関ができた場合、廃熱を出すこともなく通常の内燃機関よりも高い効率で動くことができそうです。

吉川教授は「胃腸や血管の内部に入り込み、周囲の物質からエネルギーをもらって働く、医療用の微小装置開発につながる可能性もある」と話している。チームは吉川教授のほか大学院生の住野豊さんと浜田勉さん、馬籠信之名古屋文理大講師。
見ているだけで面白い現象です。

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2005.03.03

超伝導時の電子を観測

Asahi.comより「超伝導電子、アインシュタイン理論でくっきり観察

アインシュタインが100年前に解明した「光電効果」という現象を利用して、低温で電気抵抗がゼロになる超伝導物質の電子を世界最高の精度(分解能)で観察することに成功したと、東京大物性研究所と中国科学アカデミーの共同研究グループが2日発表した。
光電効果はその研究によりアインシュタインがノーベル賞を受賞したものですが、エネルギーの高い紫外線などの光を物質にあてると電子が飛び出す現象です。

東京大学の辛埴教授らは波長が短い特殊なレーザー光線を「セリウムルテニウム」という超伝導物質に当て、飛び出してくる電子の量などを調べました。このときに超伝導物質に当てる高品質のレーザー光源と、飛び出した電子をとらえる高精度の測定器を新たに開発。超電導が起きた時に電子の量が急増することを直接観測することに成功しました。

反発し合うはずの2個の電子がペアになってふるまうなど、物質が超伝導になる場合に特有な状態が、飛び出した電子から詳しく読み取れた。なぞの多い超伝導のしくみの解明につながるという。

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