2006.04.27

南極の氷の下の湖を結ぶ通路?

Asahi.comより「南極の氷底湖、大規模な水の移動 英グループが解析

南極の分厚い氷の下にある複数の湖「氷底湖」が水路でつながっており、湖の間には大量の水の移動があることを、英ロンドン大などのグループが英科学誌ネイチャーに発表した。
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南極大陸の氷の下には多くの巨大な湖があることがわかっています。例えばロシアのボストーク基地付近にあるボストーク湖は3800mの氷の下に1万4000平方キロメートルの湖面が広がっています。これは琵琶湖の2倍以上の広さです。

これら氷床下の湖はお互いにつながっておらず、何百万年も閉ざされた状態で孤立して存在していると思われていました。

しかし、今回の研究によれば、少なくともいくつかの湖は、地下の通路(?)によりお互いにつながっていることが示されました。

東南極の氷床下の湖を衛星により調査していた研究グループは、人工衛星による標高の観測で、96-98年に、南極東部の氷底湖の上にある氷の表面が約3メートル下がり、290km離れた2つの氷底湖の上の氷が約1m上がったのを発見。厚さが3キロある氷の下を16カ月かけて、1.8立方キロの水が移動したと推定しました。

この流れは、最も流量の多いときでロンドンのテムズ川の流量の約4分の3に相当するとのことです。

これまで氷底湖はそれぞれ孤立して、独自の生態系を保っていると考えられてきた。仮に1カ所で汚染があれば、周辺に拡大する恐れも出てきた。
さらに大きくは、海水中への真水の放出が地球の気候に影響を与えたことも考えられます。

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2006.04.26

黄砂にもいい面はある?-酸性雨の原因物質を吸着

Yahoo!NEWSより「黄砂粒子に汚染物質吸着 名古屋大が新装置で実証」(共同通信)

名古屋大太陽地球環境研究所の松見豊教授(大気化学)の研究グループは25日、中国などから飛来する黄砂の粒子の一粒一粒に、酸性雨の原因の大気汚染物質が吸着していることを、新開発の分析装置を使って初めて実証したと発表した。
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今年の春は車を洗う気になりません。洗ってもすぐに黄砂でどろどろに。

黄砂は、内陸部のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などの乾燥地帯や黄土地帯で強風により吹き上げられた多量の砂塵が上空の風に運ばれて日本、韓国、中国などで降下する現象をいいます。

一般的には春に多く観測されます。今年は特に東北や東京でも黄砂が観測されるなど、多量の黄砂が日本にも降り注いでいます。これは内モンゴルなどの降水量の減少と平均気温の上昇などの要因が重なったことが原因だと考えられています。

この黄砂にも少しはいい面もあるのかもしれません。

黄砂は、上空へと巻き上げられた直後には、本来の黄砂の化学組成を保っていますが、西風に乗って東進するうちに、中国や韓国などの人間活動に伴う様々な微量成分を吸着します。例えば、化石燃料の燃焼に伴う硫黄酸化物が、黄砂粒子の表面に付着しており、その硫黄分が、日本付近の大気環境に影響をもたらしていることが分かってきました

そこで、研究グループは、大気中からフィルターで集めた粒子の集合体の平均値を測定する従来の手法に代わり、粒子一粒ごとの成分をレーザーで瞬時に分析できる装置を新たに開発。茨城県つくば市の国立環境研究所内で観測を行いました。

その結果、黄砂には酸性雨の原因となる大気汚染物質が吸着していることが分かったということです。

松見教授らは、黄砂がアルカリ成分を持つことから、酸性雨の原因物質を中和し、影響を低減する役割を果たしているとみている。研究結果は米地球物理学会誌に近く掲載される。
僕が車を洗わないのは黄砂のせいなんかじゃなく、単に面倒くさいからではないかと妻は疑っていますが・・・(笑)

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2006.01.13

地下410kmにあるマグマの謎を解明!

Asahi.comより「地底410キロ「もう一つのマグマ」のナゾ解明

火山の下など地表近くに浮上してくる液体のマグマとは別に、地下410キロの深さにもマグマがあるのはなぜか。地震波の解析で存在がわかってから地球科学者が頭をひねってきた謎を、東北大の大谷栄治教授らが高圧実験で解明した。
地球の内部は、厚さ10−30kmの地殻の下に、高温の岩石からなるマントルがあり、その内側に核が存在します。マントルは組成物質の違いから、三層構造になっていて、このうち地下約30km−410kmの上部マントルの固体が溶けて液体になったものがマグマです。

できたマグマはまわりの岩石より密度が小さいので上昇していきます。上昇したマグマは地下数kmのところにマグマ溜りを作り噴火につながります。

これまで、このマグマ溜りが存在するのは、せいぜい地下数十km程度の深さまでと考えられてきましたが、最近の地震波による解析で約410kmの深さにも液体らしい存在が示されていました。

岩石が溶けるには約2000度の高温が必要ですが、その深さでは実際には1700度程度しかありません。

そこで大谷教授らは、水を含むと、とけ始める温度が下がることに注目。高温高圧をかけ鉱物を溶かして作ったマグマに含まれる水の量を変えて密度を測定しました。

その結果、水を最大で6.7%含む条件にすると、この深部付近でも液体の状態を保っていることを確認。さらに、高温高圧下でも溶けないダイヤモンドの浮き沈みの度合いを見ることで、比重を測定したところ6.7%の水を含んだマグマは、上部マントルの下層部の比重と一致。この付近でもマグマが滞留できることがわかったとのことです。

「プレートの沈みこみに伴い、水が地下深くまで運ばれることでマグマができると考えられる」と大谷教授は話す。
マグマのでき方なども詳しくは分かっていません。

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2005.12.10

7年ぶりの閏秒挿入!

AstroArtsより「7年ぶりの「うるう秒」

来年の元旦に、7年ぶりに「閏(うるう)秒」が挿入されることになりました。日本時間で2006年1月1日午前8時59分59秒の次に59分60秒が挿入され、この1分間だけが61秒あることになります。
今から、約50年前までは、時間や時刻は、地球の公転・自転に基づく天文時が使われていました。しかし、科学の進歩するにつれさらに高精度の時刻が必要になったため、現在使われている時刻は、セシウムという原子を利用した原子時計をもとに決められています。

しかし、地球の自転は一定ではなく、遅れつつあることがわかっています。このため年々、原子時計による時刻と実際の自転がずれていきます。1958年の原子時計による管理を始めてから現在まで、そのずれは33秒にも達しています。

この遅れを放置しておくと、そのずれはどんどんと大きくなってしまいます。そこで原子時計と地球の自転に基づく時刻の差が±0.9秒以内になるように、原子時計の時刻に1秒だけ調整を行った時刻を協定世界時(UTC)と呼び、現在、この時刻が世界の標準時として一般に使われています。この1秒の調整が「うるう秒」です。

地球の自転速度は、不規則で、いつ、うるう秒調整が実施されるかについては、長期の予測ができません。したがって、地球の自転を正確に観測し、監視しながら必要に応じて調整されています。

閏秒は、これまでは世界時の6月か12月の最終日の最終秒のところで1秒余分に加えることで挿入されてきました。つぎの閏秒は世界時の12月31日の最終秒に挿入されます。日本の標準時は世界時に対し9時間進んでいるため、来年の1月1日の8時59分59秒の次ぎに59分60秒が挿入されます。

通常は午前8時59分59秒の1秒後が午前9時になるはずですが、閏秒を挿入することで午前8時59分60秒が入り、その1秒後が午前9時になります。時計を秒まで正確に合わせている人は、あわせ直す必要がありますね。
なんか得した気分です(笑)

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2005.12.04

世界一の高層ビルが地震を誘発する?

CNNより「世界一の高層ビル建設で地震が増加 台湾研究者が指摘

台湾で世界一高い超高層ビル「台北101(高さ508メートル)」の建設が始まって以来、北部・台北市で地震の発生回数が増加していると、台湾の研究者が米科学誌で報告した。
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台北101は、台湾の台北市にある超高層ビルで、現在世界一の高い建造物です。地上101階、地下5階で高さは508m、名称はこれに由来しています。
7年間の工期を経て、2004年に世界一の超高層建築物として竣工しました。施工は熊谷組を中心としたJVでした。

今回、この建物が台北の地震を増やしているのではないかとの研究結果が発表されました。発表したのは台湾中央研究院地球科学研究所の林正洪研究員。1997年に「台北101」の建設が始まってから、マグニチュード3未満の微小地震が増えたということです。

また、竣工後にはマグニチュード3.8と3.2の地震が台北101の下を震源として発生しました。

台北101は重さが70万トンに達します。世界でも最も重い建造物かもしれません。この質量により基礎部分では垂直方向に47万パスカルの圧力がかかっていると報告では指摘。この圧力が、地盤の軟らかい部分に影響を与えている可能性があるとのことです。

台湾はフィリピン海プレートがユーラシア・プレートの下に沈み込む場所にあり、地震の多発地域ですが、北部の台北市ではこれまで地震はあまり多くありませんでした。

ロイター通信との電話インタビューで、林研究員は「断層がずれそうになっている場合、少しの圧力でも地震を引き起こすきっかけとなりうる」と述べ、「単に偶然の一致なのか、関係しているのかはわからない。科学的に証明するのは非常に難しいが、かといって反証も困難だ」と話している。
たしかに工事中の2002年3月に台湾で大地震が発生。この地震で作業用のタワークレーンが地上に落下し、死者5名がでるという事故もありましたが・・・。

<参考>「世界一の高層ビルにE=mc^2」・「世界最速のエレベータ、分速1010m!

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2005.11.26

南極で歌う氷山を発見!

CNNより「南極の海に「歌う氷山」 独研究チームが観測

南極大陸周辺の海に浮かぶ氷山の1つから、歌のような音が出ている――。ドイツの研究者らがこのほど、3年前に観測した珍しいデータを発表した。そのままでは人間の耳で感知できないが、高速で再生すると、オーケストラが演奏前にウォーミングアップしているような音に聞こえるという。
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南極大陸で地震や地殻変動のデータを収集している極地及び海洋研究財団アルフレッドウェーゲナー研究所のチームが「歌う氷山」を発見しました。

研究チームが2002年7月から11月にかけて南極大陸の南大西洋沿岸部で地震から発せられる信号を録音していた際に、今まで聞いたことのない信号が録音されていることに気がつきました。

この音は周波数が0.5Hz前後と人間が聞き取れる最低周波数である20Hzよりもさらに低い音でしたが、高速で再生するとミツバチの羽音かオーケストラのウォーミングアップの時の音のように聞こえたとのことです。

この音源を追跡すると、縦50km、横20kmほどの氷山に行きあたりました。音は氷山が海底の陸地と衝突したときに、その割れ目を海水が勢いよく通り抜け発していたものだったとのことです。

チームの研究者によると「本物の歌と同様、音は上がったり下がったりする」という。研究の成果は、25日付の米科学誌サイエンスに掲載されている。
なんだかとてもロマンチック(笑)

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2005.10.12

エベレストは3.7mも低かった?

CNNより「エベレストの高さは8844.43メートル 中国が測定

中国の国家測量局は9日、世界最高峰のエベレスト(中国名:チョモランマ)の高さは今年5月から行った測定の結果、これまでの公表値より3.7メートル低い、8844.43メートル(誤差0.21メートル)だったと発表した。
エベレストエベレスト(チョモランマ)の標高は過去にもいろいろと変わってきています。エベレストが世界最高峰とされたのは19世紀半ばにインド測量局が測量し、8840mを標高として定めて以来のことです。エベレストという名も、その当時の測量局長官の名にちなんでいます。

その後、1954年にはインド測量局が周辺12ヶ所による測定を平均して8848mの値を出しました。長い間、これが公式のエベレストの高さとされてきましたが、1975年には、中国政府が雪面を含む標高を8849.05mと発表。このうち積雪92cmを除いた8848.13mを標高としました。

しかし1999年、米地理学協会は、GPSを利用した精密観測で8850mと発表しています。

今回は、GPSを利用したほか、5月に測量隊員が登頂し特殊なレーダーで氷雪の厚さを測定、かなり厳密な結果を得られたとしています。

今回の測定で標高が低くなったことについて、中国・国家測量局の陳邦柱局長は、「前回の測定時よりも技術が発達しており、エベレストが縮んだかどうかはわからない」としている。
さて、地図にはどの結果がのるんでしょうか(笑)

<参考>「エベレストが年々低くなっている−温暖化

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2005.09.18

宇宙からみた南極のオーロラ

YomiuriONLINEより「南極に巨大な緑の輪…宇宙から見たオーロラ

米航空宇宙局(NASA)は16日、地球磁気圏観測衛星が11日に撮影した南極のオーロラの画像を公表した。
オーロラオーロラは太陽風に含まれる荷電粒子が大気中の酸素や窒素の原子と衝突して発光する現象です。

今月7日から9日にかけて太陽で大規模なフレアが多発しました。これは、観測史上5番目という大きなものだったようです。

太陽フレアは太陽の大気中のプラズマガスに蓄えられた磁場のエネルギーが、短い時間の間に放出される現象です。太陽フレアが発生すると、太陽風の流れが激しくなり、地球をとりまく磁力線の様子を変化させます。

また、フレアで発生した高エネルギーの粒子が地球の高層大気に侵入し、北極や南極でオーロラが発生します。

今回も南極上空に発生しているオーロラが9月11日、地球磁気圏観測衛星によりあざやかにとらえられました。

NASA当局者は「地球上での生活に深刻な影響を及ぼすものではないが、今月末にかけて、衛星通信のトラブルや、電波障害が予想される」としている。
太陽は11年のサイクルで活動が活発になるとされています。前回の極大は2001年で、本来であれば沈静期にはいっているのですが、太陽は時折すさまじい姿を見せるようです。

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2005.07.29

地球内部からのニュートリノをとらえた!

Asahi.comより「素粒子ニュートリノ「地球生まれ」初検出 東北大チーム

火山活動や大陸移動を引き起こす地球内部のエネルギー源から出た素粒子ニュートリノを、岐阜県・神岡鉱山にある東北大の観測装置「カムランド」が初めてとらえた。
地球の地殻やマントルは地球内部のウランやトリウムが崩壊するときに放出される熱で常にあたためられており、これがマントルの対流や大陸移動を引き起こす主要なエネルギー源の一つと考えられています。地球内部で発生する熱は約40テラワットと推測され、これは原子力発電所1万基分にものぼります。

この崩壊のときにエネルギーの低いニュートリノが出ることは理論的に分かっていましたが、これまで検出することはできていませんでした。

検出に使われたのは「カミオカンデ」の跡地にある高感度の後継装置である「カムランド」。直径18mの球形のタンクに1000トンの透明なオイルを入れ、ニュートリノと反応し発光する光を検出します。水を使ったカミオカンデに比べ、低エネルギーのものまで検出できるのが特徴です。

この研究では02年3月−04年10月に検出した粒子152個のデータを解析し、原子炉ニュートリノや放射能による誤反応の粒子を除外。少なくても4.5個、多い場合は54.2個がいずれも90%の信頼度で、地球内部のウランやトリウムの原子核が壊れて生じた地球ニュートリノだと分かったとのこと。

データを蓄積すればウランやトリウムの総発熱量を推定でき、地磁気などのしくみ解明にもつながりそうだ。
まだまだ誤差の大きい結果ですが、これらのデータを地球各地で集めることで、地球内部の様子が詳しく分かってくるでしょう。

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2005.07.17

首都直下型地震の震源断層は予想よりも浅かった!

毎日新聞より「プレート境界型地震:関東の揺れ、予想より大きく

太平洋側から関東地方の地下に潜り込むフィリピン海プレート(岩板)と陸側プレートの境界面が、従来の予測より5〜17キロも浅い位置にあることが、東京大学地震研究所の佐藤比呂志教授らの調査で分かった。プレート境界で起きる地震の揺れが現在の想定より大きくなる恐れがある。
東京首都圏の地下では、フィリピン海プレートが沈み込み、陸のプレートにひずみがたまることによって巨大地震が発生しています。1923年の関東大震災(M7.9)や1703年の元禄地震(M8.1)など巨大地震は繰り返しおこってきました。

この研究では、陸側のプレートにフィリピン海プレートが沈み込む境界の深さが従来考えられてきた深さよりも深いことを確認しました。

首都直下型地震の被害がこれまでより大きくなることが予想されます。

これまでプレート境界の深さは微小地震が多数発生している領域から推測していました。今回、研究グループは人工的に地震波を発生、反射してくる波を解析する反射法地震探査とよばれる手法で千葉県から神奈川県までの各地の震源断層の深さを調べました。

その結果、首都圏のプレート境界の深さは地下4−26kmで、従来の予測よりも5−17kmも浅いことが分かりました。神奈川県小田原市付近では深さ4km、房総半島南端や茅ヶ崎市で10km、東京湾の最北部で25kmなど北へいくほど深くなっています。

また、いったんずれると強い地震を起こすアスペリティ(固着域)も小田原市付近と横須賀市付近の2ヶ所で確認されました。

佐藤教授は「今回のデータをもとに、地震の被害想定を精査する必要がある」と話している。
プレートの潜り込み速度やストレスの堆積具合の評価も変わってくるかもしれません。

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