2006.03.18

インフレーション理論の直接的な証拠を発見!

YomiuriONLINEより「宇宙インフレーション、NASAが強力“証拠”観測

宇宙が誕生初期、一瞬で急膨張したという「インフレーション理論」を高い精度で裏付ける証拠が見つかった。米航空宇宙局(NASA)が16日発表した。
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インフレーション理論は20年ほど前に佐藤勝彦博士とアメリカのアラン・グース博士によってそれぞれ独立に提唱された、ビッグバン理論を補完する理論です。

ビッグバン理論で唱えられたように、150億年も膨張を続けるエネルギーがあったならば、宇宙は初期に自らの重力で収縮してしまうなどといった問題にうまく説明をつけられる理論として支持されている理論ですが、直接的な証拠が発見されたのは今回がはじめてになります。

インフレーション理論では、宇宙創生の10-36秒後から10-34秒後までの間に、宇宙全体が10-34cmから1cm以上に膨張したとされます。。

今回、NASAの探査機WMAPによって、宇宙で全方向から飛んでくる電磁波「宇宙背景放射」を観測、詳しく分析しました。

その結果、観測する領域の広さによって成分のばらつき具合が変わることがわかりました。宇宙の創成期に急膨張がないと、こうしたばらつきは生じないということです。

杉山直・国立天文台教授(宇宙論)の話「今回の観測でインフレーション理論がさらに強固に裏付けられた。宇宙のごく初期の膨張の様子を明らかにする重要な手がかりになる」
1兆分の1秒の1兆分の1以上の短い時間に起こったことの証拠が観測できるということにいまさらながら感心します。

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2006.01.27

これまでで最も小さい太陽系外惑星発見−地球と似ていますが生命はいないようです

Asahi.comより「重力レンズ応用、新手法で惑星発見 第二の地球探し前進

名古屋大学太陽地球環境研究所やニュージーランドの大学などで作る観測チームは、英米チームと共同で地球の約5倍の重さの、太陽系外にある惑星を発見した、と発表した。
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太陽系外の惑星はこれまでにも150個以上が発見されていますが、そのどれよりも地球に近い惑星の発見です。

発見された惑星は地球から2.2万光年離れた位置にあり、地球の5.5倍の質量をもっています。太陽の5分の1の重さの恒星の周りを回っているとのこと。恒星との距離は太陽と地球の2.6倍で、公転周期は10.4年。

これまでに発見された惑星はすべて木星のようにガスからできている惑星でしたが、今回発見された惑星は地球のように岩石か氷でできているとみられます。

ただ、その太陽にあたる恒星は温度の低い赤色矮星であるため惑星の表面温度は零下220度で、生命が存在する可能性はなさそうだということです。

今回の惑星発見は、アインシュタインが提唱した「重力レンズ」技術を用い、世界中に設置された望遠鏡のネットワークを使って実現されました。

「重力レンズ」とは、恒星の重力効果が巨大な天然の望遠鏡のような働きをし、さらに遠くの恒星を大きく見せる現象です。これまでの惑星は、恒星の前を横切る時に重力によって恒星の光を屈折させる現象を利用した間接的な方法で発見されていましたが、惑星が地球のようにはるかに小さい場合などは発見が困難でした。

〈国立天文台の田村元秀・太陽系外惑星探査プロジェクト室長の話〉 これまで多くの惑星を見つけたのとは違う方法で、軽い惑星を発見したことが新しい。生命が存在する可能性がある「第2の地球」を見つけるのにつながる成果だ。
惑星の発見も加速しています。それこそ生命体が存在できる可能性のある惑星が発見されるかもしれません。

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2006.01.11

北極星の伴星をハッブル望遠鏡で撮影!

毎日新聞より「北極星:伴星「ポラリスAb」初撮影 ハッブル宇宙望遠鏡

米ハーバード・スミソニアン天体物理センターは9日、北極星の二つの伴星のうち、主星に近すぎてこれまで直接視認できなかった「ポラリスAb」の撮影に、米航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡を使って初めて成功したと発表した。
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現在の北極星であるこぐま座のアルファ星、いわゆるポラリスは複数の恒星が重心の周りを軌道運動している連星です。

北極星は特に、3つの恒星が引き合っている三重連星です。そのうち、一番明るい星が通常観測されるポラリスで、その伴星は9等の明るさであるポラリスBでこれは望遠鏡で観測することが可能です。三重連星のうち最も暗いのはポラリスAbで、あまりに主星であるポラリスの近くにあるため、これまではスペクトルの分析により存在が推測されているだけの存在でした。

今回、ハッブル望遠鏡で撮影されたポラリスAbは、ポラリスと約32億キロの距離にあることがわかりました。

同センターのナンシー・エバンス氏は、今後数年間にわたり伴星の軌道などを観測して主星の質量を確定したいとしている。北極星は「セファイド型変光星」の一種であり、その物理特性の理解は、遠方の銀河までの距離の計算などに役立つという。
この星を地球から観測するのは、直径2.4cmのコインを約30km離れて見るようなものだそうです。

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2005.12.23

若い銀河の周りにやはり暗黒物質があった!

Yahoo!NEWSより「若い銀河の周囲に暗黒物質 すばる望遠鏡で確認」(時事通信)

生まれたばかりの銀河が、宇宙の2割を占める謎の「暗黒物質」とみられる塊の中に存在する様子を、2つの研究チームが国立天文台のすばる望遠鏡(米ハワイ島)を使って観測した。
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暗黒物質とは、望遠鏡で直接観測することのできない、正体不明の物質です。その周りにある星やガスを強い重力で引っぱるため、その存在が知られるようになりました。最近の研究によれば、宇宙の質量のうち、星やガスなど人類が知っている物質は4%しかなく、謎の暗黒物質が23%、アインシュタインが予言した暗黒エネルギーが73%を占めるといわれています。

これほどの量の暗黒物質は、銀河の誕生や成長に対して、何らかの影響を与えていると考えられます。生成初期の銀河を詳しく調べれば暗黒物質の影響が分かるはずです。

米宇宙望遠鏡科学研究所の大内正己研究員らはすばる望遠鏡を使い、地球からくじら座の方向に約120億光年離れた若い銀河約1万7000個観測。また、国立天文台の柏川伸成主任研究員らは、かみのけ座の方向に約120億光年離れた銀河を約5000個、約125億光年離れた銀河を約800個観測しました。

これらの銀河の分布を調べたところ、理論上推定されていた暗黒物質の塊の分布状況と一致。銀河がこの塊の中にあると考えるのが自然だと結論づけました。

さらに、その「暗黒物質の塊」の中には銀河が1個とは限らず、時には複数の銀河が育まれていることも分かりました。

星が1000億個程度集まった銀河の誕生や成長に暗黒物質が深く関与しているとの理論が、初めて明確に裏付けられた。同天文台が22日発表した。
で、暗黒物質の正体は・・・。

<参考>「宇宙の生成をシミュレーション−暗黒物質はやはり重要でした

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2005.10.15

ブラックホールは破壊者でなく創造者?−ブラックホールが星を育てる

Asahi.comより「ブラックホールが星を育てる 英独の研究者ら観測

ブラックホールが星を育む――星の形成をめぐり、英独の研究者らが13日、こんな研究成果を発表した。
ブラックホールブラックホールは大質量の恒星が超新星爆発をおこし、自分の重みで極限まで収縮した状態の天体です。その強い重力により、光さえも脱出することはできず、宇宙の破壊者としてのイメージが強い天体ですが、それを覆すかのような研究結果が発表されました。

NASAのチャンドラX線観測衛星で、この銀河系の中心にある巨大なブラックホール「いて座A」を観測、その結果を英レスター大のセルゲイ・ナヤクシン博士らが解析しました。

すると、ブラックホールの周辺に、可視光による観測では発見できなかった太陽程度の小さな星が約1万個あることが判明。もし、これらの星が周りから吸い寄せられてきたとすれば、100万個程度は集まっているはずだとの理論的な推測から、これら1万個の星はブラックホールの周辺で生まれたと結論づけました。

ブラックホールの周辺には、膨大なガスが円盤状に集まっています。このガスの重力がブラックホールの巨大な重力と釣り合い、星が生まれやすい安定した環境になっているのではと研究チームは推測しています。

ナヤクシン博士は「驚くべきことに、ブラックホールが星の形成を手助けしている。星の構造も、これまで信じられていたより、粘り強いようだ」と話している。
ブラックホールのイメージががらりと変わってしまうかもしれません。

<参考>「ガンマ線バースト探査衛星を打ち上げ−ブラックホールの謎にもせまれるか

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2005.10.07

ガンマ線バーストは中性子星どうしの衝突?

Asahi.comより「謎の大爆発の瞬間とらえた ガンマ線バーストを観測

宇宙で起こる謎の大爆発「ガンマ線バースト」を日米欧の研究グループが観測し、地球から20億光年ほど離れた「つる座」の、古い星が集まっている銀河周辺で起きたことを突き止めた。爆発が瞬間的なガンマ線バーストは観測が難しく、発生場所が特定できたのは初めて。
ガンマ線バーストガンマ線バーストは、宇宙最大の爆発現象で、銀河系のすべての星が1年間で放出するエネルギーより大きなエネルギーを、数秒から数10秒で放出します。遠方の宇宙で1日1回程度発生しており、大量のガンマ線が地球に降り注ぎますが地上で観測することはできず、宇宙空間での観測しか行えません。

このガンマ線バーストには継続時間の短いタイプと長いタイプがあります。このうち、継続時間の長いタイプは星が一生を終える際の超新星爆発が原因だと考えられています。しかし、継続時間の短いタイプは中性子星の合体によって起きる爆発ではないかといわれていましたが、時間が短いため十分な観測をすることができず確証は得られていませんでした。

今回、日本の理化学研究所と米仏の研究機関が共同開発した天文探査衛星「HETE2」が7月9日に0.07秒間ほどで終わった瞬間的な爆発をとらえ、発生の方角を特定。その情報を基に、日本のすばる望遠鏡、米国のチャンドラX線観測衛星やハッブル宇宙望遠鏡などが、X線や可視光の「残光」を探しました。

それらの観測結果を総合すると、短時間のガンマ線バーストは中性子星どうしか中性子星とブラックホールが衝突、合体して起こるものと考えてよさそうです。

米国の研究グループを率いる米マサチューセッツ工科大のジョージ・リッカー博士は「ガンマ線から可視光まで観測できたのは今回が初めて。複数の観測の組み合わせが、重要な発見につながった」としている。
地球に比較的近いところで中性子星が衝突なんてことになりませんように。

<参考>「過去最大のガンマ線が地球を襲った」・「ガンマ線バースト探査衛星を打ち上げ−ブラックホールの謎にもせまれるか

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2005.09.29

軌道エレベータの実現にまた一歩

MYCOM PCWEBより「上空を舞う気球より伸びるケーブルで、宇宙エレベータのテストに初成功!

米LiftPort Groupは、同社が独自に開発を進める、地球と宇宙空間を結ぶエレベーター「LiftPort Space Elevator」の、初の上空での昇降テストに成功したとの発表を行った。今秋中にも、次なるテストを実施して、さらに開発を進めていく方針が明らかにされている。
軌道エレベータ軌道エレベータは地上から静止軌道まで届くケーブルや塔を運搬装置が上下することで宇宙と地球の間の物資の輸送を可能にするものです。ロケットよりも安全に、低コストで宇宙に物資を送ることができると期待されています。

もともとはSFなどの中の存在でしかありませんでしたが、カーボンナノチューブという画期的な発見もあり現実味をおびてきています。

LiftPort Group社はこの軌道エレベータを実現させるために設立された企業です。この社が建設を計画しているLiftPort Space Elevatorは、ロボットタイプのリフター「Robotic Lifter」を用いて、太平洋上の赤道付近に建造される海上プラットフォームから、約10万キロメートル上空の宇宙空間を目指す予定になっています。

今月20日に、同社は米国ワシントン州において、上空を飛ぶヘリウム気球と地上を結ぶケーブル上での初期テストに成功しました。これは上空に浮かぶヘリウム気球と地上をケーブルで結び、その間をロボット型のRobotic Lifterが昇降するテストだったようです。

最終的には1000フィート(約300m)の高度でのテストを行ったとのこと。

同社のMichael Laine社長は「LiftPort Space Elevatorの開発において、今回のテスト成功で、歴史的にも重要な意義を帯びる大きな一歩を踏み出すことができたと思う」とコメントした。
同社は軌道エレベータの運行開始日を2018年4月12日とアナウンスしています。さてどうなることでしょう。

<参考>「エレベータ−で「宇宙へまいりまぁす」

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初期の宇宙に異質な巨大銀河を発見

Yahoo!NEWSより「宇宙の初期にも巨大銀河 NASAが観測、常識覆す」(共同通信)

約137億年前に起きた大爆発ビッグバンから約8億年しかたっていない初期の宇宙に、地球を含む銀河系の8倍もの質量を持つ巨大な銀河が既に誕生していた証拠を見つけた、と米航空宇宙局(NASA)が27日発表した。
初期の銀河宇宙は今から約137億年前に誕生しました。宇宙の生成初期には、生まれたばかりの原始銀河がたくさん存在していましたが、それが徐々に成長し、今の銀河系のような成熟した銀河になったと考えられていました。

このような宇宙初期の様子を観察するためには、できる限り遠方の宇宙を観測する必要があります。先日は約127億光年離れた場所(つまり127億年前)の銀河団が発見されました。

今回の報告では約129億年前の銀河が発見れたようです。さらにその銀河はこの銀河系の8倍の質量をもつ巨大銀河であったということで、今までの銀河形成の理論に一石を投じる発見です。

この銀河は、ろ座の方向にある「HUDF-JD2」。ハッブル、スピッツァー両宇宙望遠鏡で観測されました。 Hubble Ultra Deep Field(超深宇宙)と呼ばれる非常に遠い宇宙空間にある約1万個の赤ちゃん銀河を観測していたところ、そのうちの1つが非常に巨大であることが判明したとのこと。

非常に遠い宇宙にあるため可視光では観測できず、近赤外線カメラと分光計を使い確認されました。

観測結果によると、ビッグバン後数億年の間に猛スピードで成長したが、銀河系の約8倍の大きさに達したところで、形成が突然止まったようだという。
非常に初期の宇宙に異質とも尾の割れる巨大銀河の登場です。銀河形成に関する理論はどのように変わるのでしょうか。

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2005.09.14

太古の星の最後を観測−128億年前にあった星の最後です

毎日新聞より「宇宙:128億光年かなた、星の爆発観測−−望遠鏡「マグナム」「すばる」

地球から128億光年離れた宇宙で起きた星の巨大爆発現象(ガンマ線バースト)を、東京大のマグナム望遠鏡と国立天文台のすばる望遠鏡(いずれも米ハワイ州)が相次いで観測することに成功した。12日、各研究チームが発表した。
スイフトによるガンマ線バースト画像太陽の数十倍の重さの大質量星が、その一生を終えてブラックホールになるときに「ガンマ線バースト」と呼ばれる現象が起き、巨大なエネルギーが数秒から数百秒にわたって放出されます。

今回、東京大とハワイ大の研究チームがマグナム望遠鏡で、国立天文台などの研究チームがすばる望遠鏡でそれぞれ宇宙の最も遠方で発生したガンマ線バーストをとらえることに成功しました。

このガンマ線バーストを最初にとらえたのは米国のスイフト衛星です。その正確な位置が世界中のガンマ線バーストの研究者に伝えられると、その現象が各国の望遠鏡で観測されました。

今回の爆発は地球から128億光年離れたところでおきたと考えられます。つまり現在、137億歳と考えられている宇宙が誕生してからわずか9億年後におきた爆発ということになります。これは従来の記録を5億年もさかのぼります。

これまで測定されたガンマ線バーストの距離の記録はデンマークのグループによる123億光年。この記録を5億光年上回ることになりました。

今回は、日本時間の4日午前、米航空宇宙局(NASA)の衛星が爆発をキャッチ。その12時間後、ハワイ大と東京大の研究チームが、マウイ島にあるマグナム望遠鏡で爆発直後の光が含む赤外線の観測に成功した。
これにより宇宙で最も遠い星の最後も観測できる可能性がでてきました。

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2005.07.16

3つの太陽をもつ惑星−スターウォーズみたい

YomiuriONLINEより「3つの“太陽”持つ惑星…地球から149光年かなたに

3個の“太陽”を持つ珍しい惑星を、米カリフォルニア工科大学の研究者が発見した。
3つの太陽を持つ惑星見つけたのは、マチェイ・コナッキ研究員。米ハワイ島のケック望遠鏡で「HD188753」と呼ばれる恒星系を観測したところ、地球から149光年離れた所にある惑星が、3個の恒星の周囲をまわっていることがわかったそうです。

3つの恒星のうち中心の1つは太陽と同じくらいの質量で、この星から12.3天文単位のところを残り2つの恒星が連星系となってまわっています。

そのまわりを公転している惑星は木星より14%以上大きいと見られる巨大ガス惑星です。20天文単位のところを約3.35日周期で公転していました。

問題は、これまでの惑星形成理論ではこのような状況下でガス惑星は生まれないとされている点です。この惑星の公転軌道付近は高温で、ガス惑星の核となる氷ができないため惑星を形成するガスが集まってこないと考えられています。

この星ははるかな遠方で生まれこの恒星の周りに飛んできたのでしょうか。それとも氷以外のものが核になっているのでしょうか。

今回の発見は、惑星形成の常識を覆す可能性がある。英科学誌ネイチャーに発表した。
このような常識を覆すような惑星はこれからもさらに見つかっていくかもしれません。

それにしてもスターウォーズにあわせたタイムリーなネタですね(笑)

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