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2005.12.18

昆虫の羽ばたきの秘密はタンパク質の結晶にあった

毎日新聞より「昆虫:羽ばたき、六角形に秘密 たんぱく質結晶、きれいなら素早く

昆虫の素早い羽ばたきは、筋肉のたんぱく質の並び方に秘密があることを、文部科学省所管の財団法人「高輝度光科学研究センター」(兵庫県佐用町)などのグループが突き止めた。筋肉を作るたんぱく質が規則正しく、六角形の結晶構造を作っていると、効率よく飛び続けられると考えられるという。英学術誌「王立協会紀要」(電子版)に論文が掲載された。
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昆虫はすばらしい飛翔能力をもった生物ですが、飛翔には「飛翔筋」という筋肉を使用しています。

この飛翔筋の動作原理は昆虫の種類によって2種類に分類されます。バッタなど原始的な昆虫は神経の興奮が伝わるごとに、羽を動かす筋肉を、長さにして約10%ずつ伸び縮みさせ羽ばたきます。この方式を「同期型」と呼びます。しかし、この方式だと毎秒100回程度の羽ばたきが限度です。

一方、ハエやハチのような進化した昆虫は「非同期型」といわれる飛翔方法をとっています。この方式では2種類の飛翔筋が振動し、胸を覆う体の外骨格にも、筋肉の振動と共鳴する振動を起こさせます。筋肉と外骨格の振動がそろうことで、この間、筋肉はほとんど収縮したままで、長さは3%程度しか変化しません。この方式だと毎秒500回程度の高速の羽ばたきが可能になります。

高輝度光科学研究センターの岩本裕之主幹研究員らは昆虫50種類について、飛翔筋の筋原繊維に沿ってX線をあて、約4600枚の断面画像を分析しました。

その結果、ハチやハエなど羽ばたきが速い昆虫では、筋肉の動きを作り出す「アクチン」や「ミオシン」というタンパク質が、六角形に並び、長さ約3mmの筋原繊維全体が、たんぱく質の巨大な結晶になっていたとのことです。チョウ、カマキリ、カゲロウなど羽ばたきがゆっくりした昆虫は、並び方の規則性が低かったようです。

アクチンなどが規則正しく並ぶと、筋肉の張力を正確に調整でき、外骨格を共鳴させるのにちょうどよい振動を起こせると考えられるということのようです。

岩本さんは「昆虫が繁栄したのは小型で飛ぶ能力があるためだ。筋肉の収縮や弛緩(しかん)に必要なエネルギーを省くことで効率よく飛べるように進化してきたといえる」と話している。
昆虫は進化の過程でこのような見事な単結晶型の筋原繊維を手に入れたようです。

<参考>「ハチドリの空中浮揚の謎に迫る

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