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2005.12.31

今年もありがとうございました−Science誌の10大ブレークスルーとともに

今年も「Science」誌により2005年の科学における10大ブレークスルーが発表されました。

そのトップを飾ったのは「Evolution in action(活動中の進化)」。チンパンジーなど多くの生物のゲノム解析が行われたことやスペイン風邪のウィルスの再現など進化の分野では多くの成果が報告されました。

次点は「Planetary blitz(惑星急襲)」。火星の地表探査や土星の月タイタンの探査、日本のはやぶさ、ディープインパクト計画など多くの計画が実施されました。

その他の8個はつぎの通りです。

Flower Power(花の力)」。花の開花などに関する遺伝子やホルモンの働きが特定されました。

Neutron Stars(中性子星)」。ガンマ線バーストの観察など中性子星の研究が加速しています。

Miswiring the brain(脳の誤配線)」。脳障害(例えば失読症やトゥレット症候群)のメカニズムが解明されようとしています。

Complicated Earth(複雑な地球)」。隕石と地球の石の比較分析により地球のでき方についての考え方が変わろうとしています。

Protein portrait(タンパク質の肖像)」。カリウムチャンネルの詳しい構造がとらえられました。

A Change in Climate(気候変化)」。温暖化に関する多くの報告がなされました。今年は本当に多かったですね。

Systems biology(システム生物学)」。ネットワークシステムの手法が生物学に用いられ、成果をあげようとしています。

Bienvenu, ITER(ITERを歓迎)」。とにかく建設地が決まったということで。

       ****************************************

2005年も終わろうとしています。今年も拙文におつきあいいただきありがとうございました。個人的には非常に多忙な一年でしたが、ほどほどに良い一年だったかなと思います。来年はどんな年になりますやら。

では、皆様にも良いお年が訪れますよう。

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2005.12.30

NEWS CLIP 05/12/29

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2005.12.28

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NEWS CLIP 05/12/27

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2005.12.27

NEWS CLIP 05/12/26

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2005.12.26

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2005.12.25

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2005.12.23

若い銀河の周りにやはり暗黒物質があった!

Yahoo!NEWSより「若い銀河の周囲に暗黒物質 すばる望遠鏡で確認」(時事通信)

生まれたばかりの銀河が、宇宙の2割を占める謎の「暗黒物質」とみられる塊の中に存在する様子を、2つの研究チームが国立天文台のすばる望遠鏡(米ハワイ島)を使って観測した。
0512232
暗黒物質とは、望遠鏡で直接観測することのできない、正体不明の物質です。その周りにある星やガスを強い重力で引っぱるため、その存在が知られるようになりました。最近の研究によれば、宇宙の質量のうち、星やガスなど人類が知っている物質は4%しかなく、謎の暗黒物質が23%、アインシュタインが予言した暗黒エネルギーが73%を占めるといわれています。

これほどの量の暗黒物質は、銀河の誕生や成長に対して、何らかの影響を与えていると考えられます。生成初期の銀河を詳しく調べれば暗黒物質の影響が分かるはずです。

米宇宙望遠鏡科学研究所の大内正己研究員らはすばる望遠鏡を使い、地球からくじら座の方向に約120億光年離れた若い銀河約1万7000個観測。また、国立天文台の柏川伸成主任研究員らは、かみのけ座の方向に約120億光年離れた銀河を約5000個、約125億光年離れた銀河を約800個観測しました。

これらの銀河の分布を調べたところ、理論上推定されていた暗黒物質の塊の分布状況と一致。銀河がこの塊の中にあると考えるのが自然だと結論づけました。

さらに、その「暗黒物質の塊」の中には銀河が1個とは限らず、時には複数の銀河が育まれていることも分かりました。

星が1000億個程度集まった銀河の誕生や成長に暗黒物質が深く関与しているとの理論が、初めて明確に裏付けられた。同天文台が22日発表した。
で、暗黒物質の正体は・・・。

<参考>「宇宙の生成をシミュレーション−暗黒物質はやはり重要でした

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麹菌のゲノムを解析−なかなかビッグな菌類です

Asahi.comより「麹菌ゲノム解読、多めの遺伝子が「うまみ」醸す?

日本酒のこく・香りや、みそ、しょうゆのうまみの秘密解明に一歩――。産業技術総合研究所(茨城県つくば市)や酒造・しょうゆメーカー、大学などが協力して、麹(こうじ)菌のゲノム(遺伝情報全体)を解読した。
0512231
麹菌は日本の「国菌」とも呼ばれるカビ類で、学名は「Aspergillus oryzae」。分泌する酵素はでんぷんを糖に分解したり、タンパク質を分解してアミノ酸を作ったりする働きを持ち、この特性を利用して日本酒やみそなどの醸造に使われています。

醸造協会、産業技術総合研究所、東京農工大など国内16機関でつくる「麹菌ゲノム解析コンソーシアム」と製品評価技術基盤機構が01年8月から本格的な解析を進めてきました。

その結果、麹菌のゲノムを構成する塩基対の数はヒトの約1%に当たる約3800万で、微生物では最大級だということがわかりました。また、染色体は8本あり、約1万2000の遺伝子が含まれていました。これはヒトの遺伝子数のおよそ半分にあたります。

ゲノムには、麹菌独自の遺伝子が集中する領域と、他の微生物などから取り込んだとみられる遺伝子が集中する領域とがまだらに存在していたとのことです。進化の過程で他種の遺伝子を取り込んだため、ゲノムサイズが大きくなったと考えられます。

また、解読済みの近縁の2種類のカビゲノムと比べると、麹菌ゲノムは2、3割大きいことも明らかになりました。遺伝子の数も29−34%多く、特に、たんぱく質分解酵素の遺伝子の種類が豊富だったとのこと。こうした酵素が、しょうゆなどのうまみ成分になるアミノ酸をつくるのに役立っているようです。

結果はおいしい酒やしょうゆの開発に役立つほか、麹菌を使ったバイオ産業への活用にもつながる。近縁のカビが引き起こす肺アスペルギルス症という肺の病気の解明にも、貢献できるという。
さすが麹菌です。なかなか複雑なカビですね
笑)

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NEWS CLIP 05/12/22

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2005.12.22

今年最も辞書で引かれた単語は何?

YomiuriONLINEより「辞書を引いた英単語、今年の一番は?米出版社調べ

米国の辞書出版社メリアム・ウェブスターによると、同社のオンライン辞書で今年最も多く引かれた単語は「Integrity」だった。
この単語を同社のオンライン辞書で引くと、firm adherence to a code of especially moral or artistic values(ある規範、特に道徳的または芸術的な価値を固く守ること)となっています。

英辞郎では誠実、正直、高潔、品位などとなっています。日本語になかなか訳しにくい言葉ではあるようです。

同社によると、参照者が毎年多い単語だが、今年は20万人に達したという。背景にはブッシュ大統領や共和党有力者、メディアの看板記者などの「Integrity」を問題にする報道が相次いだという事情もありそうだ。
ちなみに2位は「refugee」( 難民、避難者、亡命者)、3位は「contempt」(軽蔑、侮辱、軽視、法廷などに対する侮辱罪)、4位は「filibuster」(外国の革命軍に属する傭兵)、5位「insipid」(退屈な、面白くない)。

6位はあの「tsunami」(津波)です。

以下10位まで、「pandemic」(流行病)、「conclave」(コンクラーベ、法王選挙)、「levee」(土手、堤防)、「inept」(能力に欠ける、不向きの)となっています。

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インクジェットで人工骨を作る

YomiuriONLINEより「インクジェット技術で人工骨、2007年にも実用化

紙にインクを吹き付けるインクジェット方式の印刷技術を応用して、短時間で精密な人工骨を作ることに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や東大病院、医療ベンチャーなどの共同研究グループが成功した。
0512221これまで人工骨は素材を焼き固めて外側から削っていたため、内部加工が難しいという問題がありました。

今回開発された方法では、プリンタに使用されるインクジェットと全く同じ原理を使い、インクの代わりに、人工骨の成分であるリン酸カルシウム粉末と接着剤を、厚さ0.1mmの薄い層として重ね立体構造を作ります。

人工骨の構造データは、患者の骨の欠損部周辺のCT画像をコンピューター処理して作り、人工骨作成機に取り込みます。

数cmから数十cmまでの骨を成形できるということです。

移植した周辺の骨となじみやすくするため、人工骨に直径2mmの穴を開けて成形することもできます。患者の骨の組織が穴に入り込み、人工骨は徐々に吸収されます。

頭部に骨腫瘍を患った家畜病院動物患者のウェルシュ・コーギーの骨腫瘍を取り除き、この人工骨を移植する置換手術を行なった他、13頭のビーグルなどでも移植を実施。これらの動物実験で副作用は確認されておらず、同大の倫理委員会で承認されれば年明けには臨床試験に入るということです。

国内には対象となる患者として、口蓋(がい)裂2400人、骨腫瘍(しゅよう)2000人、外傷性の患者4万人ほどが毎年いるという。
インクジェットで骨まで作れるのですね。

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鳥インフルエンザウイルスを99.99%死滅させる新素材開発

毎日新聞より「鳥インフルエンザ:ウイルスの感染力弱める新素材

鳥取大農学部の大槻公一教授(獣医微生物学)らの研究グループは21日、鳥インフルエンザウイルスの感染力を瞬時に弱める新素材(厚さ約0.5ミリ)の開発に成功したと発表した。
この新素材は鳥取大学の大槻教授のグループとダイワボウ、用瀬電機によって開発されました。

用瀬電機と鳥取大学は2年前、天然鉱物「ドロマイト」を特殊加工して鳥インフルエンザウイルスなどを殺滅できる抗ウイルス材を開発。これを用いたマスクなどをすでに開発していました。

今回、ダイワボウがこの抗ウイルス材を使って特殊加工し、従来の製品より抗ウイルス効果の即効性と持続性がより高い不織布の開発に成功したということです。

鳥取大学農学部獣医学科の実験では、不織布に付着した鳥インフルエンザウイルスが1分間で99.9%殺滅でき、さらに30日後も効果が持続しました。

来年以降、新素材を使ったマスクや作業着などで商品化を目指す。
これまでの抗ウイルス材はウイルスをブロックするだけでしたが、この新素材はウイルスを破壊して感染を防ぐ点が画期的といえます。

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NEWS CLIP 05/12/21

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2005.12.21

左利きの女性は乳がんのリスクが2倍?

UKTodayより「左効きの女性は乳ガンになりやすい?――乳ガン発症の原因解明に新説誕生か

左利きの女性は、右利きの女性と比較して、更年期前に乳ガンにかかる確率が2倍という研究報告が「the British Medical Journal」に掲載されたことが報じられた。
オランダの研究チームは1932年から1941年に生まれた1万2000人以上の女性について利き手と乳がんの発病率の関係を調べました。

その結果、社会的地位や経済的地位、喫煙、家族の病歴、出産経験など危険因子を考慮しても左利きの女性の方が右利きの女性に比べて乳がんを発症する危険性が2倍であったとのことです。

研究チームは、子宮内で分泌されているホルモン量の多さにより左利きになる可能性が高くなるとともに、乳房の細胞組織にも影響が及び、それががん細胞の発生と何らかのつながりを持っているのではないかという仮説を提案しています。

この研究を行ったオランダの研究機関では、「この発見は、女性にとって乳ガン予防の新発見となりうるが時期尚早だ。しかし、原因究明の第一歩と考えている」と述べている。
テストステロンが何らかの作用を及ぼしていることも考えられます。ただ、この研究結果だけから左利きなので・・・とびくびくする必要はないでしょう。

<参考>「喫煙と乳ガンの関連−閉経後は関係ないそうです」・「乳ガンのリスクがあがる方法と下がる方法

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冥王星探査機「ニューホライズンズ」、年明けに打ち上げ

Asahi.comより「初の冥王星探査機、年明けに打ち上げ NASA

米航空宇宙局(NASA)は19日、太陽系の第9惑星の冥王星を調べる無人探査機「ニューホライズンズ」を来年1月17日から2月14日の間に打ち上げる、と発表した。
0512211これは、NASAの「プルート・カイパー・エクプレス」といわれる計画です。

1930年に発見された冥王星は、最も太陽に近いときでも44億キロメートル、離れているときは74億キロメートルにもなるためハッブル宇宙望遠鏡でも詳細な観測が困難で、まだ探査がされていない唯一の惑星です。

今回打ち上げられる「ニューホライズンズ」は、重さ470kgでピアノ位の大きさ。冥王星と、その衛星カロンに接近し、2つの天体の地表の撮影、構成物質の組成の調査、大気組成の調査などを行います。

冥王星の探査を終えると、海王星以遠の領域を周回するカイパーベルト天体との遭遇を目指して飛行し、遭遇が可能であれば軌道修正の後、接近飛行により天体を撮像する予定になっています。

太陽から遠く離れた場所では太陽光発電に頼ることができないため、動力にプルトニウム電池を利用します。

順調に飛行を続ければ、9年後の15年半ばには冥王星に接近する。
いよいよ太陽系最遠の惑星のベールがはがされます。

<参考>「土星の衛星フェーベはやはりカイパーベルトから飛んできた?」・「冥王星に新たな月を2つ発見?

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NEWS CLIP 05/12/20

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2005.12.20

NEWS CLIP 05/12/19

毎日新聞より「イネ:少ない肥料で収量はアップ 葉が直立、光を受けやすく−−東大など、変異体発見

葉がほぼ垂直に育つことで下の葉までまんべんなく太陽光を受けやすいため、肥料を増やさずに収量増が見込めるイネを、東京大大学院の坂本知昭助手(植物生理学)らの研究グループが発見し、遺伝子レベルでその仕組みを解明した。20日付の米科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」電子版に掲載される。
0512201
植物は、葉が広がっていると上部の葉に遮られて下部の葉が十分に光を受けられません。一方、葉が直立すると下部まで光が届き光合成が可能になります。イネの葉が直立すると、密集して植えることができるため収量アップにつながることは理論的に予想されていました。しかし、葉が直立したイネは草丈が著しく低くなったり、実を付けなくなったりして実現には至っていませんでした。

今回、発見されたイネは株がコンパクトになるため密集して植えられるのに加え、上部の葉があまり太陽光を遮らないので、下部の葉も良く育ち、普通のイネより単位面積当たりの収量が30%程度増えるということです。

坂本助手らは、農業生物資源研究所が作ったイネ(日本晴)の突然変異体の中から、葉が直立して草丈が通常より少し低いが、米粒が小さくなるなどの異常がない個体を発見し、それら34系統の変異体を解析遺伝子を解析しました。

その結果、葉が直立したイネでは、植物ホルモンの一種「ブラシノステロイド」を作る酵素のうち、同じ働きをする2つの酵素の一方が機能しなくなっていることを発見。

これらのイネでは、葉の角度が変化し、欠点もなく収量が増すことが確認できたとのことです。

このイネを、通常の2倍の密度で研究栽培したところ、普通の日本晴は1ha当たりの推定収量が5.31トンだったのに対し、このイネは6.19トンとなりました。

坂本助手は「コシヒカリなど他の品種でも、植物ホルモンを制御できれば、肥料を減らし環境へ配慮した農法の普及に貢献できる」としている。
植え付け面積が少なくて収量があがれば農家の高齢化対策としても期待できるのではないでしょうか。

<参考>「収穫量1.2倍のコシヒカリができた−将来的には2倍も・・・」・「食べるだけで疲労回復する米

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2005.12.19

NEWS CLIP 05/12/18

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2005.12.18

昆虫の羽ばたきの秘密はタンパク質の結晶にあった

毎日新聞より「昆虫:羽ばたき、六角形に秘密 たんぱく質結晶、きれいなら素早く

昆虫の素早い羽ばたきは、筋肉のたんぱく質の並び方に秘密があることを、文部科学省所管の財団法人「高輝度光科学研究センター」(兵庫県佐用町)などのグループが突き止めた。筋肉を作るたんぱく質が規則正しく、六角形の結晶構造を作っていると、効率よく飛び続けられると考えられるという。英学術誌「王立協会紀要」(電子版)に論文が掲載された。
0512181
昆虫はすばらしい飛翔能力をもった生物ですが、飛翔には「飛翔筋」という筋肉を使用しています。

この飛翔筋の動作原理は昆虫の種類によって2種類に分類されます。バッタなど原始的な昆虫は神経の興奮が伝わるごとに、羽を動かす筋肉を、長さにして約10%ずつ伸び縮みさせ羽ばたきます。この方式を「同期型」と呼びます。しかし、この方式だと毎秒100回程度の羽ばたきが限度です。

一方、ハエやハチのような進化した昆虫は「非同期型」といわれる飛翔方法をとっています。この方式では2種類の飛翔筋が振動し、胸を覆う体の外骨格にも、筋肉の振動と共鳴する振動を起こさせます。筋肉と外骨格の振動がそろうことで、この間、筋肉はほとんど収縮したままで、長さは3%程度しか変化しません。この方式だと毎秒500回程度の高速の羽ばたきが可能になります。

高輝度光科学研究センターの岩本裕之主幹研究員らは昆虫50種類について、飛翔筋の筋原繊維に沿ってX線をあて、約4600枚の断面画像を分析しました。

その結果、ハチやハエなど羽ばたきが速い昆虫では、筋肉の動きを作り出す「アクチン」や「ミオシン」というタンパク質が、六角形に並び、長さ約3mmの筋原繊維全体が、たんぱく質の巨大な結晶になっていたとのことです。チョウ、カマキリ、カゲロウなど羽ばたきがゆっくりした昆虫は、並び方の規則性が低かったようです。

アクチンなどが規則正しく並ぶと、筋肉の張力を正確に調整でき、外骨格を共鳴させるのにちょうどよい振動を起こせると考えられるということのようです。

岩本さんは「昆虫が繁栄したのは小型で飛ぶ能力があるためだ。筋肉の収縮や弛緩(しかん)に必要なエネルギーを省くことで効率よく飛べるように進化してきたといえる」と話している。
昆虫は進化の過程でこのような見事な単結晶型の筋原繊維を手に入れたようです。

<参考>「ハチドリの空中浮揚の謎に迫る

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冷やすと甘味が薄まるわけ

Asahi.comより「「冷やすと甘くない」舌のたんぱく質特定 九大教授ら

甘みは、食べ物が冷たいと感じにくく、温めると強まる――。日常生活で経験するこの現象にかかわる、舌にあるたんぱく質を、九州大の二ノ宮裕三教授(口腔<こうくう>生理学)らとベルギー、米国の研究チームが突き止めた。英科学誌ネイチャーの最新号で発表した。
味覚は、嗅覚と同様に、舌に多く分布する味蕾の中の化学受容体に物質が結合することで検出されます。このようにして見分けられるものを基本味といいますが、それには甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つがあります。もともとは甘味、酸味、塩味、苦味の4つが基本味とされてきましたが、最近はうま味も基本味として認められるようになってきました。元来日本語のうま味は英語でも「umami」として使用されています。

味蕾の化学受容体が味分子を検出すると、それを神経に伝える中継ぎ役のたんぱく質である「TRPM5」のチャネルが開きます。このTRPM5と温度との関係を研究チームは分析しました。

その結果、細胞レベルの実験では、温度を上げるとTRPM5の働きが強まりました。さらに普通のマウスと、TRPM5を作れないよう遺伝子操作したマウスの舌に、15−35度にした様々な種類の糖や甘味料、うまみ、酸味、塩味、苦みに関係する物質の溶液を垂らし、神経の反応を比較したところ、甘みに対し、普通のマウスは温度が高いほど反応も高まったのに対し、TRPM5のないマウスにはほとんど変化がなかったとのことです。

甘み以外では、温度による変化はありませんでした。

二ノ宮教授は「細胞の同じ部分が味と温度の両方にかかわっていたのは意外だ。甘みも温度も体内のエネルギーと密接なことが関係しているのでは」と話している。
赤ワインが室温で飲まれるのもこれが理由のようです。

<参考>「味覚は脳のどこに伝わるか」・「味覚ロボット登場!」・「若い女性ほど味に敏感−若い女性が行列を作る店は美味しい?」・「ネコが甘味を感じない理由が分かった

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NEWS CLIP 05/12/17

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2005.12.17

NEWS CLIP 05/12/16

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2005.12.16

モナ・リザの微笑みの秘密を解明

gooニュースより「モナ・リザの微笑の秘密を解明=83%が幸せ示す」(時事通信)

レオナルド・ダビンチの傑作「モナ・リザ」の微笑をアムステルダム大学がコンピューターで解析した結果、モナ・リザは83%幸福、9%がうんざりした気分、6%が恐れ、2%が怒りを表していることが分かった。
0512162
歴史上最も有名な肖像画である「モナ・リザ」は見れば見るほど不思議な印象を与える絵画です。1503年にレオナルド・ダ・ヴィンチが描き始めたこの絵は、完成までに4年程度かかったといわれています。

モナ・リザのモデルが誰であったのかはわかっていません。フィレンツェの富豪、フランチェスコ・デル・ジョコンドの3番目の妻であるエリザベッタではないかという説が最も有力です。

モナ・リザの絵に不思議な魅力があるのは口元の微笑みによるところが多いのではないでしょうか。フロイトはレオナルドが母親に抱いていた性的な魅力であると表現しています。

今回、アムステルダム大の研究者はイリノイ大と共同で開発した感情を認識し計算するソフトウエアを使いモナ・リザの微笑を解析しました。このソフトウェアには多くの若い女性の表情がデータベースとして登録されており、唇の曲線と目の周りのシワの線などカギとなる特徴を調べることによって人間のムードを測定し、基本的感情を数値化しています。

英国の科学週刊誌ニュー・サイエンティストの次週号に結果が公表される。
うんざりしているのは絵のモデルになるのが退屈だからでしょうか(笑)

<参考>「ダ・ヴィンチの未完の名画が壁の後に隠されている?

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つながって長さ3mになるクラゲが深海にいる!

Yahoo!NEWSより「3メートルの“連結”クラゲ 国際海洋調査で発見」(共同通信)

さまざまな形の個体がつながって3メートル近くになるクラゲなど、新種とみられる生物を多数発見したと、日本の研究者も参加する海洋生物調査チームが15日、発表した。
0512161
この調査は国連などが中心となって10年計画で行われている「海洋生物センサス」の一環として行われました。

世界の海に生息する生物の種類を2010年までに特定し、データベース化するプロジェクトです。別名「海の国勢調査」ともいわれています。

今回、北極海の深さ1500mの深海で撮影されたクラゲは、多くの個体がつながり、最大だと長さ3m近くになるとのこと。それぞれのクラゲは移動するために水を噴き出したり、餌を採ったりするのに適した形に変化しています。

 また、南極海の調査では、直径5mmほどの小さなカイメンも発見されました。通常、カイメンは海水を体内に取り込み、海水に含まれている有機物などを栄養分にしますが、このカイメンは海水中の微生物を直接のみ込んで栄養にしているそうです。

チームのロナルド・オドール博士は「深海のユニークな生態系にはさまざまな環境破壊の危機が迫っている」と保護対策の強化を求めた。
深海にはまだまだ謎がいっぱいです。

<参考>「新種の魚106種類が登録−地球上には何種の生物がいるのか

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NEWS CLIP 05/12/15

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2005.12.15

歯医者さんが発見したイッカクの角の秘密

Exciteニュースより「イッカクの牙は大型センサー」(ロイター)

イッカクの謎のらせん状の牙は、水質を調べたり、他のイッカクと接触したりするのを手助けする大型センサーであることがわかった。米国の研究グループが13日、明らかにした。
0512152
イッカクはクジラの中でも最も北の北極圏付近に生息する珍しいクジラです。その姿で、目を引くのはオスに見られる一本の長い「角」です。螺旋を描いているようにも見えるこの角は、古くから人々の興味を引きつけてきました。

以前にはこの角が「ユニコーン」の角として売買されたこともあるようです。

イッカク(一角)という名前の由来であるこの角は、実は角ではなく牙です。通常はオスだけに見られるこの角は左の1本の歯が、左まきにねじれながら伸び続け、長さ2.5mにもなり牙のような形状になります。まれに、牙のあるメスや、牙が2本あるオスが見られることもあります。

この牙が何のためについているのかは分かっていませんでした。氷を砕く、敵から身を守る、エサを探す、争いに使うなどいろいろな説があります。

ハーバード大学歯科学部のマーティン・ヌウェーイア博士を中心とする研究チームは、イッカクの牙は極めて敏感な表面を持つ膜のようなものであることを突き止めました。牙には表面と繋がっている1000万もの神経があり、それで水温、水圧、水質の変化を感知できるということです。

同研究チームはまた、イッカクのオスが牙をこすりつけることで何らかのコミュニケーションをとっているのではと考えています。

同博士は「牙のセンサー能力が明らかになったので、この独特でユニークなクジラの説明できない行動を説明するための新たな実験を考案することができます」と語った。
研究チームによると、いわゆる知覚過敏の歯のようなものらしいです(笑)

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グレープフルーツの香りは女性を6歳若く見せる?

UKTodayより「グレープフルーツの香りで若返り!? 匂いのおかげで男性は女性の年齢を実際より6歳若く判断

女性にとって若返りといえば、ボトックス注射やシワとりクリームなどが常套手段となっているが、グレープフルーツの香りを身にまとうだけで、男性から実際の年齢よりも6歳若く判断されるという実験結果が明らかにされた.
0512151
この研究では、どうすれば女性が若々しく見られるかということを調べるために、様々な果物や野菜のエキスを中年の女性に塗り、女性たちの年齢を男性にあててもらうという実験を実施しました。

その結果、ほとんどの果物や野菜の香りをただよわせても若々しく見られるという期待された効果は見られませんでしたが、ピンク・グレープフルーツの香りのする女性だけは、実際の年齢よりも約6歳若く判断されたことが分かったということです。

研究チームは、グレープフルーツなどの柑橘系の香りは男性に、幸せでなつかしい、またはリラックスした気分を呼び起こし、相手の容姿に対して寛容な判断をさせるためと分析しています。

また、このような香りは男性に性的刺激を与え、女性の容姿への採点を甘くさせて、女性を魅力的な対象とみなすようにさせるのではないかとのことです。

同研究ではさらに、これらの柑橘系の香りがもたらす影響を、対象を変えて実験を継続。しかし、グレープフルーツの香りは男性が女性の年齢を判断する場合にのみ「若返り」効果があり、女性が男性の年齢を判断したり、女性同士がお互いの年齢を判断したりする時には、残念ながら効果は見られなかったという。
グレープフルーツの香りをかぐことでダイエットになるという研究結果もあります。これは一石二鳥(笑)

<参考>「グレープフルーツの香りは脂肪の燃焼を助ける?

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NEWS CLIP 05/12/14

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2005.12.14

熱を加えると縮む実用的な金属を開発!

毎日新聞より「新素材:温度が上がると縮む…国内で初めて開発

理化学研究所などの研究チームは13日、温度が上がると縮む国内初の新材料開発に成功したと発表した。19日付の米応用物理学誌に掲載される。
通常、物質は温度が上昇すると体積が大きくなります。ところが、ごく希に、温度が上昇すると逆に体積が小さくなる物質があります。これは「負膨張」と呼ばれ、身近には氷が水になると体積が小さくなる例があります。

今回、理化学研究所の竹中先任研究員らの研究チームは、「逆ペロフスカイト」と呼ばれる構造をもつマンガンの窒化物が、構成元素の亜鉛、ガリウムや銅の一部をゲルマニウムで置き換えると、室温付近で大きな負膨張を示すことを発見しました。

この合金を、膨張する物質と混ぜれば、温度が変化しても形状が安定した物質を作ることができ、精密な製品加工用の工作機器への活用などが期待されます。

温度上昇で縮む材料はこれまでに海外で数種類作られていましたが、膨張率の制御が難しいほか、もろいものがほとんどでした。強度があるものは、原材料が高価で実用化には向いていませんでした。

この新材料は、マンガンやゲルマニウムなど身近な原材料から作られ、負膨張の大きさを自在に制御できること、高い電気伝導性や熱伝導性を示すことなど従来の材料に比べ非常に実用的なものとなっています。

研究チームの竹中康司・同研究所先任研究員は「室内の温度変化に関係なく、ナノメートル(ナノは10億分の1)単位の加工が可能な工具を製作できるようになる。日本独自の合金のため、海外へ高額の特許料を払う必要もなくなる」と話している。
熱膨張する材料と組み合わせて、温度変化があっても全く膨張しない材料が作られると最高なんですが。

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歯のないくちばしを持つ最古の現代型鳥類発見!

Asahi.comより「歯のないくちばし持つ最古の鳥 内モンゴルで化石発見

中国・内モンゴル自治区の白亜紀前期(約1億2500万年前)の地層から、くちばしに歯のない鳥の新種化石が見つかった。現在の鳥類の仲間(真鳥類)の化石としては最古だ。
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鳥類は木にはいのぼっていた爬虫類から進化したといわれています。爬虫類のうろこは進化して鳥の羽毛となりましたが、鳥の脚にはいまでもうろこが残っています。

ただ、詳しい起源については今でも論争が続いており、鳥類は獣脚類とよばれる恐竜のグループから進化したという説や、恐竜が出てくるはるか以前の三畳紀の祖竜類から進化したという説などがあります。

 今回発見された化石には逆立った「とさか」など羽毛の跡がはっきり残っています。長い脚と細長い翼を持ち、とがったくちばしには現代の鳥類と同じように歯はありませんでした。こうした特徴から、沼や湿地の浅い水辺を歩きながら魚を捕食し、飛行能力も高かったとみられます。

国立科学博物館の真鍋真主任研究官は「恐竜が絶滅に向かった時期に、水辺に生活圏を広げていったことが鳥類が生き残った要因かもしれない」といっている。
鳥類は恐竜から進化する過程で歯を失い、くちばしを持つようになりました。今回発見されたくちばしに歯のない鳥の化石は、鳥類の起源解明にとって重要な発見となるかもしれません。

<参考>「始祖鳥は実は恐竜だった?

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NEWS CLIP 05/12/13