ホヤのセルロース合成遺伝子は細菌からのもらい物
Yahoo!NEWSより「細菌から遺伝子取り込む ホヤ「変態」へ新機能」(共同通信)
動物なのに食物繊維の主成分、セルロースを合成する脊索(せきさく)動物のホヤは、セルロース合成遺伝子を細菌から取り込んだことを佐藤矩行京都大教授と笹倉靖徳筑波大講師(発生生物学)が8日までに突き止めた。

ホヤは脊索動物門のなかの1グループ、「尾索類」に属し、体をおおう「被のう」にセルロースが含まれています。
研究チームは、世界各地に生息するカタユウレイボヤを用い、セルロースを合成する遺伝子を稲などの植物やカビ、細菌の遺伝子と比較しました。その結果、ホヤと細菌の遺伝子が極めて似ており、ホヤが進化の過程で細菌の遺伝子を取り込んだと推測されました。
また、ホヤにはもう一つ、変態するという特徴があります。ホヤの成体は固着生活を送りますが、その幼生はオタマジャクシに似た形をしており泳ぎ回ることができます。
研究チームは遺伝子を欠損させたホヤの中に変態後も尾部を失わず泳ぎ続けるものを発見しました。この原因遺伝子を突き止めたところ、セルロース合成遺伝子が破壊されていることを発見。すなわち、ホヤのセルロース合成酵素は、セルロースの合成を行うとともに、変態を正常に進行させる機能をもつことが明らかになりました。
別の種の生物から遺伝子が水平移動したことを示し、この遺伝子は、ホヤが成体になる「変態」に欠かせない役割を新たに担っていることが判明した。動物の進化解明に役立つという。もらい物の遺伝子をさらに有効利用しているといったところでしょうか。
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