« NEWS CLIP 05/07/23 | Main | NEWS CLIP 05/07/24 »

2005.07.24

尾瀬の生態系が弁当の食べこぼしで破壊される?

毎日新聞より「尾瀬ピンチ:コケ類衰退 ハイカーの弁当食べ残しが原因

高層湿原独特の景観で人気がある尾瀬(福島、群馬、新潟県)で、こぼれたり食べ残されたハイカーの弁当が代表的植物のコケ類への過剰な窒素の供給源となり、植生に悪影響を与える可能性の高いことが、東京農工大の赤木右(たすく)教授(無機地球化学)の調査で分かった。
尾瀬帰化植物により尾瀬の植生が危機にさらされていることはよく知られていますが、それよりも問題なのは人間の行動のようです。

湿原を中心とする尾瀬の生態系は非常に微妙なバランスの上に成り立っています。この生態系にとってハイカーの弁当の食べこぼしでさえ、大きな影響を与えるようです。

赤木教授は登山者が歩く木道に沿う尾瀬ケ原の休憩場所24ヶ所で、モウセンゴケを採取し、組織中の窒素を調べました。自然界にある窒素は質量数が14の同位体が99.6%以上を占め、残りが質量数15の同位体となっています。しかし、自然の雨水を窒素の供給源とする尾瀬のモウセンゴケの窒素15の比率は自然界の1.5倍もありました。特に休憩場所が広く、人が多く集まる場所ほど窒素15の比率が高かったとのこと。

一方、食品中の窒素は主に魚や肉類に含まれ、食物連鎖の上位の動植物ほど窒素15が蓄積されています。赤木教授は、モウセンゴケの比率の高さはハイカーの弁当に由来していると分析。食虫植物のモウセンゴケは、食べ残されたり、こぼれた食品を食べた昆虫類を捕らえ、窒素15を取り込んだと考えられます。

尾瀬の湿原は栄養源に乏しいため、それに耐えるコケなどによる独特の植生を形作っている。しかし、昨年だけでも約34万人が入山し、持ち込まれた食品や排せつ物によって湿原の栄養源が過剰になると懸念されていた。
自然保護の観点からは登山ブームによるオーバーユースも各地で問題になっています。しかし何のために保護するのかを考えれば難しい問題です。

|

« NEWS CLIP 05/07/23 | Main | NEWS CLIP 05/07/24 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17506/5121461

Listed below are links to weblogs that reference 尾瀬の生態系が弁当の食べこぼしで破壊される?:

» はるかな尾瀬 [らぷとのブログ]
夏がくれば思い出す  はるかな尾瀬 遠い空 霧のなかに うかびくる やさしい影 野の小径(こみち) 水芭蕉の花が 咲いている 夢見て咲いている 水のほとり 石楠花(しゃくなげ)色に たそがれる はるかな尾瀬 遠い空 ----------- この歌を知らない人...... [Read More]

Tracked on 2005.08.02 at 08:04 PM

« NEWS CLIP 05/07/23 | Main | NEWS CLIP 05/07/24 »