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2005.05.21

クローン胚からES細胞の取り出しに成功−現実的な成功率です

Asahi.comより「患者のクローン胚からES細胞、韓国チーム作製

韓国ソウル大などのチームは、将来の再生医療の対象と考えられる患者9人の体細胞を使ってクローン胚を作り、それを基にあらゆる組織の細胞になりうる胚性幹細胞(ES細胞)を11株作ることに成功した。米科学誌サイエンス(電子版)で20日速報する。
ES細胞ES細胞(胚性幹細胞)は体のあらゆる臓器に育つ可能性を秘めた細胞で万能細胞ともよばれます。一般的には受精卵からつくられ、98年に米国ではじめてヒトのES細胞が作られました。

今回は受精卵からES細胞を培養したのではなく、ヒトのクローン胚から現実的なレベルでES細胞を取り出すことに成功しました。昨年に同じソウル大がクローン胚からのES細胞の取り出しに成功していますが、今回はその10倍以上の成功率となりました。

ソウル大の黄禹錫(ファン・ウソック)教授のチームは卵子に成長する前の「卵母細胞」の核を取り除き、かわりに脊髄損傷や1型糖尿病、遺伝性免疫不全症候群などの難病の2−56歳の患者11人の皮膚細胞からとりだした核を移植。クローン胚を185個作成しました。このうち男女9人の細胞11個がES細胞に成長しました。

これらのES細胞から難病治療に必要な神経細胞や心筋細胞などをつくり出すことができれば、拒絶反応の心配なく治療することが可能になります。難病患者本人の細胞からES細胞をつくり出した今回の研究は、再生医療の大きな飛躍となるでしょう。

前回、ソウル大がES細胞をつくったときにはクローン胚176個からES細胞が1個しかできませんでした。

人のES細胞から特定の細胞や組織をつくる研究は着々と進み、これまでに心筋や血管、血液などが報告されている。ただ、ES細胞にはがん化などの懸念があり、クローン技術の安全性も確立したとは言えない。治療に使うまでには、まだハードルがある。
しかし問題はまだ山積しています。このES細胞から目的の臓器をつくり出す技術はまだ確立されていませんし、体細胞をつかったクローン動物は胎児期などに異常が現れることもあります。このES細胞から目的の臓器をつくり出し、それが安全だと確認されるまでには長い期間が必要でしょう。

実は僕も家族に治療方法のない難病患者がいます。うちの家族には間に合わなくても、なんとか治療方法が見つかることを祈っています。

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» クローンはどこまで許される? [=社説は語る=]
『読売新聞(05/05/22)』 クローン技術-海外の進展を座視していいのか  韓国ソウル大などの研究チームが、クローン技術を使い、世界で初めて、脊髄(せきずい)損傷や糖尿病などの患者の細胞から「胚性幹(はいせいかん)細胞(ES細胞)」を作り出した。  ES細胞は様々な臓器、組織の細胞に育つ。例えば、これを神経細胞に育て、脊髄損傷患者の治療に使えば、歩行機能を回復できるかもしれない。  実際の治療への応用には、安全性の確認が前提となるが、患者のES細胞を使えば、病気の解明にもつながる。世界中... [Read More]

Tracked on 2005.05.23 at 07:05 PM

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