600万年前に二足歩行−CTでスキャンされた骨
人類のはじめは猿人ですが、猿人と類人猿をわける一番の特徴は二足歩行です。ただ、初期の猿人についてはまだ完全には分かっていません。
毎日新聞より「猿人:600万年前に二足歩行 骨のCT分析で判明」
約600万年前にいた人類の祖先の猿人は、すでに二足歩行していたことがコンピューター断層撮影(CT)による骨の化石の分析で判明したと、米仏の共同研究チームが3日付の米科学誌「サイエンス」に発表した。これまで確実に二足歩行をしていたと考えられているのは約400万年前の猿人で、人類の最大の特徴である二足歩行の歴史が一気に200万年もさかのぼることになり、人類史研究に大きな影響を及ぼしそうだ。
猿人と類人猿が分かれたのは化石の研究や遺伝子の研究など行われてますがおよそ800万−500万年前と説によってずいぶんと開きがあります。ただここ最近になって700万年−500万年前にわたる数種の化石が発見され、二足歩行をしていたとも推測されるようになってきました。しかし、発見される化石が骨格のごく一部であったり、研究者により意見も分かれたりするため猿人がいつ類人猿から分かれたかについては異論も多くあります。
今回調査対象となったのはケニアのツーゲンヒルで2000年に発掘されたオロリン・ツゲネンシス(Orrorin tugenensis)という600万年前の化石です。歯、下顎骨片、指や腕の骨、大腿骨片などが発掘されました。
研究グループは、股関節につながる大たい骨のくびれた部分の内部構造をCTで詳しく調べた。その結果、骨の表層部が上側だけ薄くなっていることが分かった。これは樹上生活するチンパンジーなどとは異なり、直立二足歩行する人類と同じ構造だった。骨のほかの部分の形状も、類人猿よりは人類に近かった。
いままで二足歩行が確実視されていたのは約400万年前の「アウストラロピテクス・アナメンシス」でしたから、これに反論がなければ「オロリン・ツゲネンシス」が最古の人類として教科書に載るのかな(笑)。
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